1/3 あけましておめでとうございます!

 せっかくのエッセイなので、これを元旦にすべきでした。

 思い返せば、いつからこの世界に迷い込んだのでしょうか、おそらく3年は経つかもしれません。

 3年——色々ありました。一番はこれを読んでくださる皆様との出会いに感謝です。そしてその場を提供してくださったカクヨムという存在無しには全てを語れません、本当に感謝感謝です。


 そもそも私が小説を書き始めたのは高校生の時。数学の授業の合間にノートを書くフリをしてよくシャーペンでルーズリーフにストーリーを書いていたものです。今から振り返ると赤面ものですが。

 そんなある日、転機が訪れます。高校の文化祭、図書委員の企画で希望者による文芸の冊子が作られることになったのです。広く小説などが募集され、自分もここぞとばかりに作品を提出し、晴れて自分の小説が冊子となりました。

 しかしそこで私は今でも忘れられない、悲惨な目に遭うのです。とある先輩は「いい話だね」と純粋に褒めてくれたのですが、他の友人の目は冷ややかでした。

「おい、真●子だってよ、おい!」

 と小説のセリフを抜き出して、私の事をからかい始めたのです。

 ギャグのストーリーならまだしも、それは感動的なシーンでした。フィアンセを事故で失い、前に進めなかった主人公が、幻の中でそのフィアンセと出会う、そんな一番デリケートなシーンでした。それをからかわれた、私の小説家としての魂はひどく傷つき、それから二度と知り合いには見せないと決めました。


 ですが一人で書いていてもつまらない。そこで私はインターネット上に作品をアップすることにしました。その頃はリンク集や、HTMLを使い個人で小説をまとめるサイトを作っている方もいて、匿名でお互い評価し合っていました。

 それから時代は移り変わり、色々忙しくなると小説を書くことも無くなりました。ですが日常の節々で心の奥が叫ぶのです、「ほら、ほら」って。「ほら、こんな面白いストーリー思い付いたよ、是非みんなに見てもらおうよ」と。

 そして、ネット上で最初に見つけたのが「なろう」でした。(その後の馴れ初めは『小説は懐中電灯』の一頁目にあるのでここでは割愛します)

 かくかくしかじかあり、ここカクヨムに私は漂流しました。

 ここでたくさんの作品が生まれ、たくさんの作品と出会えました。多くの作品から刺激を受け、多くの方のコメントに支えられ、書き続けることができました。本当にありがとうございます。


 新年早々、嬉しいことがありました。

 私は今まで公募というものに挑戦したことがありませんでした。元々ショートショートや短編を得意とするため、多くの公募が求める長編が書けませんでした。それでもweb上で投稿できる短編などには少しだけ応募したこともあります、もちろんかすりもしませんでしたが。

 今回初めて、ローカルな出身者限定の「エッセイ」に投稿してみました。これは紙媒体での応募という初めての挑戦でした。応募直前で「公募ガイド」にあるお作法を見つけ、急遽投稿直前で出し直しを余儀なくされたり、直前に制限の文字数を間違えるという致命的なミスも乗り越えたりしながら、なんとか郵便局に届けることができました。期限ギリギリだったので不安になり速達にしました。

 送ってしまった後は、なんとも実感がありません。おそらく選考員からは素通りされるでしょうし、そもそも本当にあれ届いているのか? そんな気持ちでした。でもこういう一歩一歩が大事なんだと自分に言い聞かせるようにしました。

 そして発表の一月一日。私はこそこそとその発表を確認しました。優秀賞一作と佳作が二作。もちろんそこに私の作品はありませんでした。受賞された作品はどれも面白く、なるほどと思わせるものでした。そしてその隅にある講評を読みます、どの点が良かったのか、など選考委員の一人の方のコメントがそこにはありました。

 なるほど、そういうことか……と読み進めていくと、思わず私の目が止まりました。その先にこう書いてあったのです。


「●●」「◯◯」「▲▲」もなかなか捨てがたい作品でした。


 なんとその「◯◯」が自分の投稿したものだったのです。おそらく次点として載せてくださったのだと思います。私はそれを見てとても感動しました。

 生まれて初めて自分の作品が公式に評価されたのだと実感しました。あの速達はしっかり届いていた、そして選考委員の方は読んでくれたんだ、しかも後少しだったと思っていいの……だよね? と、こういうことに慣れない自分は今でも良くわかりません。

 ただ、新年早々、かなりテンションは上がっています。もっともっと腕を磨いて、多くの人を満足させられる文章を書きたい、とそう思っています。

 ここまで来れたのは間違い無く支えてくださった皆様のお陰です、本当にありがとうございました。


 ちなみにどうでもいいカミングアウトをこれからします。

 私はコメントの返事に「●●様」と書きます。これを見ると、しっかりされている方は「木沢様」と返してくださります。

 しかしこの「様」にはちょっとした経緯があります。そもそも最初、この「カクヨム」のような砂漠のようなユーザーの中で目立つにはなんらかの特徴が必要だと思ってきました。ネーミングだったり、コメントの仕方だったり、とにかく普通ではいけないだろう、そう思っていました。

 例えば「拙者は……でござる」みたいなコメントをすればインパクトだろうな、などと考えていた一環で、とりあえず「●●様」という書き方をして特徴をだそう、と思ったのが始まりです。今振り返ってもインパクトに欠けますが。

 ということで、「様」には特に意味のないので、是非「木沢さん」と返していただければ幸いです。


 改めまして、今年もよろしくお願い致します!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る