概要
そんな時、クロに課せられたもう一つの使命は「一週間後に死んでしまう少女、浅羽コハクの願いを叶え、その最期を”みとる”こと」
なんとか、嘘をつかずに役目をまっとうしようとするクロだが、コハクの最期の願いは、まさかまさかの!?はたしてクロは、嘘をつかずに役目を全うすることが出来るのか!?
死にゆく人間の少女と、嘘がつけない天使の少年。二人が過ごす最期の一週間—―
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第8回角川つばさ文庫小説賞、一次選考通過
第9回ネット小説大賞、一次選考通過
©️雪桜
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!心を打つ優しい嘘の物語
天使のクロと重病の女の子コハク…。
平気で嘘をつくクロに課せられた命令は「嘘をつかない事」、「1週間後に亡くなるコハクを看取る事」。これが出来なければクロは永久に消滅させられる…という所から物語が始まります。
その中でクロ、コハク、コハクの家族、担当医…等の「本音と立て前」、「嘘と真実」が描かれるのですが、死を目前にした少女の前で繰り広げられる「本音と立て前」、「嘘と真実」が本当に切ないのです。
それらがシーソーの様に繰り返されて揺れ動く度に、読者の心をバシバシ叩いて突いてくるのです(>_<)
終盤は素晴らしいストーリーに泣いてしまいました。
感動の名作、オススメします! - ★★★ Excellent!!!『嘘』から始まる、優しい絆の物語
天使のクロは、とっても嘘つき。
ある日、それを見かねた上司のサリエルから、「嘘をついてはいけない」と命じられたうえで、人間界に行くように命じられます。
クロに課せられた任務は、死期の近い少女・コハクの最期を看取り、その魂を導くこと。
しかし、これまで嘘ばかりついてきたクロには、その任務は簡単なことではなくて……?
「嘘」をメインテーマの一つに扱った本作ですが、児童向けでありながらも「誰かを救う嘘があれば、誰かを傷つける本当もある」という、大人になってもなかなか気付けないようなことを思い出させてくれる作品となっています。
クロくんの葛藤やコハクちゃんの死生観の揺らぎなどを経て、クロ君の任務で…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ねぇ、君におすすめしたい素敵な小説、見つけたよっ!
誰もが知っていて、本当は知らない別次元の存在。
その名は、天使。
「……一度くらい、聞いたことあるよね?」
それでね、天使の住む天上界と呼ばれる世界。
人類でも空想上の生き物であるとして認識されていた天使は、実は本当に存在していて、その世界で生きる少年の天使がいたんです。
主人公の名前は、クロさん。
彼は有名な天使だったの。
なぜ、有名なのかって?
それは、彼が「嘘」をつく天使だからです。
正しい道を歩み、導かなくてはいけない天使の中では「異端」とさえいえるクロさんはとうとう、天界の処刑人サリエルから罰を受けることとなったの。
その罰とは、二度と嘘をついて…続きを読む