第28話 精霊契約 〈契約〉
正確に言うとゲームのラベンダーとそっくりな天使がいた。
私がそこにいるという不思議な感覚に襲われる。
…目が合った。
いや、1つだけ違う。目が違う。同じ紫でも光のはいり方によって青紫って見えたり赤紫にみえたり…とても儚い幻想的な色だった。
「やっぱり貴女が1番あの人に似てるわ…優しい所も芯は強いけど実は繊細な所も…貴女は未来を変えれる。私は貴女を信じてる。」
「何を…」
「きっといつか貴女は真実の未来へ辿り着く。だって私の元へ来た時点で前とは違う。」
「何を言っているの…?」
「時を戻されたのは今回限りじゃないわ。まだ世界を救うことはそう簡単じゃないわ。でも…ここに来た貴女なら変えられる。私はそう信じてる。貴女を愛しているわ。ラベンダー」
何度も時が戻されている…?私なんかにできるはずがないじゃない…こんな私に出来ることなんてない…
「大丈夫。でもラベンダー、これだけは心のどこかに止めておいて。貴女の信じているものが敵かもしれない。でも信じることを辞めちゃダメよ。貴女の味方は心の中に、瞳の奥にいる。これだけは忘れないで。」
「どういうこと…?」
「それは貴女次第。きっといつかわかる日が来るわ。…貴女に天使ガブリエルの祝福を。慈愛と予知の祝福をラベンダー・フローレスへ。誓華の祈りを捧げます。」
優しく包まれるような温かさにふと思い出したのは母の姿だった。
『舞、お母さんは舞のこと愛してるよ』
私はその温かさにゆっくりと目を閉じた。
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「行ってしまったのね…流石にこれ以上時を戻してしまうと…壊れてしまうわ…そう思わない?…ねぇ?返事くらいしてってば!ウリエル!貴方に言ってるのよ?」
「…あの子でよかったのか?」
「あの子じゃなきゃダメだったのよ。人間らしい子が1番よ。」
「…そろそろ仕事に戻るぞ。」
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