第20話 ヴィオレッタとラベンダー (ヴィオレッタ視点)


「行っちゃった…」


石橋を渡った私…いや…ラベンダーを見て思わず呟いた。


「あーあ何で私、こんなことしちゃったんだろう。」


自分の行動が謎すぎる。私はラベンダーを妬んでいたんじゃないのか。

あのままラベンダーを放っておけばよかったのに。


私が元の場所に戻れたのに。


何で助けたんだろ?なんかに誰かが私の中にいて勝手に口が動いてる感じだった。


私は良い子ちゃんじゃない。


あのまま放っておいたらあの子は壊れてくれたのに。


「なんでかなぁ…」


…もしかしたら私は彼女に恩を感じていたのかもしれない。


ずっとあの日から。


私は彼女の記憶を覗いて勉強した。だって暇なんだもの。


そして彼女の過去を知った。私ならあんなの耐えきれない。


でも…彼女は罪人じゃない。あれは仕方なかった。


彼女だって死んでたかもしれないから。


愛する人に殺されかけた。それがどれだけ辛いんだろう。


それでも彼女はローズを愛してる。彼女は彼女が思ってるよりも強いんだ。


「みらなわなくちゃね。」


あと数年後、魂の力が溜まったら


「やっぱり私のほうがラベンダーの身体に相応しい!」


そう言ってやれるように強くなろう。


水面に写る自分を見て笑った。

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