第17話 私と過去
いつものようにライムと本を読んでいた。
「ラベンダー様。ティータイムの準備が整いました。」
「ありがとう、マリア。私、ローズ達呼んでくるね。」
「ああ」
その瞬間景色がぐにゃっと歪む。立ってもいられなくなって…
私の意識は闇に飲まれていった。
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ここは…どこ?私はラベンダー・フローレス。私は…本当にラベンダー・フローレス…?私は…それとも…
真っ暗闇に水面が広がる。現実感がない。ここは…暖かい。
けど何故か息がしづらい。
私はここに居たらいけない気がして…歩きだす…私は一体どこに行くんだろう…?
水面に写るのは私。…と前世の私。亡霊みたいに後ろをついてまわってる。
だんだん水面が川のようになっていく。その先に石橋があって…渡らないと…ダメか。
「おーい!ねぇちゃん!」
やめて。来ないで。
私は貴方に見せる顔もない。
やめて私は…やめてよ…戻れなくなる……
来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで
「ねぇちゃん。僕のところにおいで?楽しいし、僕ねぇちゃんのこと悪いって思ってないよ?」
耳を塞いでも声は聞こえてきて、もう発狂寸前だ。
コツコツと靴の弟と水の跳ねる音が耳に響いて。
彼が目の前に現れた。ガっと手首をつかむと私を引っ張る。
「いやっ…」
「ねぇ…ねぇちゃん?ほら、行こう?」
やっぱり貴方は……
嫌だ。行きたくない。
そっちには何も無い。
私がしなければいけないことも。
私にとっての幸福も。
新しく出来た守るべきものも。
そこには何も無い。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい…ごめんなさい。
「ごめんなさい…」
「ダメ。そっちには行かせない…。」
彼の目には黒い黒い炎が灯っていて…彼は彼じゃない。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
するとびゅっと紫がかった炎が突っ込んでいく。
その瞬間彼が灰になって。
後ろを振り向いたら“私”がいた。
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