第8話 同士
……何故かライムと距離が縮まった気がした。
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最近ではローズとミントが庭で駆け回っているのをライムと私が木陰で本を読みながら眺めるという形が出来上がりつつある。
ライムは何故か私の横にいたがるのだ。私なんかよりもローズといた方が絶対楽しいのに。
私は乙女ゲームをやってたくらいだし、恋愛小説をよく読んでいる。
でも、ライムは11歳と思えないくらい難しい本を読んでいるんだよね。
私は前世の知識を使っても理解できなさそうだなぁ。
私はガンガンの文系だった。特に歴史が大好きであの人がここで死んでなかったら……
時代はこうなっていたかもしれない、こうだったかもしれない。と想像するのが大好きだ。
私は完結したアニメの続きを想像するのも好きで……今世の表情筋が硬くてよかった。
ニマニマ気持ち悪い顔をしてしまうところだった。気を緩めたらいけない。
ライムは心が読めるんだった。こんな気持ち悪いこと想像しているってばれたら生きていけない。
「どうしたの……?ラベンダー。」
「……難しそうな本読んでるよね。」
「本当にそれだけ?」
「……あとローズのことならどこまでも語れるなって。」
「僕もミントのことならどこまでも語れるけど。」
何故か私達は握手をした。ここ最近で1番心が通い合った気がする。
ライムが私の横にいた理由はこれだろう。弟を遠くで眺めていたかったからである。
私も目的が同じなのでこれからもこのスタイルは続きそうだ。
そんなこと知らずに2人は無邪気に走り回っていた。
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