第32話 精霊契約 〈契約〉(ノア視点)

「……んっ……」


ゆっくりと目を開けると……とても大きな木が目の前にあった。


「わっ……」


こんな大きさの気は見た事ない……木って寿命がとても長いらしい……本で読んだけど3000年とか普通に生きてそうだ。

ここは……精霊の森とは違う気がする……何となくだけど……ね。


「……契約の……間?」


「正解よ」


「ひゃっ!」


あの……尖った耳って……エルフ……?

いや、木の精霊……?

エルフは木の精霊と人の混血が祖先だし……ん〜僕には……わかんないや……ライムなら分かるかも……?


「貴方、名前は?」


「僕は……ノア・フローレンスです。」


「ノアくん、よろしくね?私はクロエ!一応木の精霊王やってるの!」


エミリアと同格かぁ……道理で放つ魔力が……強かったんだ……


「エミリアにお願いされてね、あなたと契約しにきたの。」


「え……?」


精霊王が僕と……契約……!?

そんな恐れ多いこと……なんで僕が?

あ……でもエミリアも精霊女王だよね……?

なら大丈夫かも……?

いやでも……エミリアが異例……?


「難しいこと考えないで!私がノアくんと契約したいの!」


「それなら……」


「じゃあそこで目をつぶって?……木の精霊王、クロエの元に。木の祝福を!誓華の祈りを捧げます!」


暖かいものが体を巡っているような感じ……眠くなってきた……


「ノアくん……最後に貴方に1つお願いがあるの。出来ないからって諦めないで!絶対貴方なら出来る!自分を信じてよね!」


自分を信じる……考える暇もなく僕は眠ってしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る