概要
ライフスタイルのトレンドをいち早く察知し、企業や個人向けのセミナーを企画するベンチャー企業 “ゼアズ・ア・ウェイ・ジャパン”。
ワンマン社長が宣言した今期のテーマは、なんと野菜づくりだった。
セミナーの企画運営にあたる尾倉香菜たち若手社員は、会社で借り上げた菜園で実地体験をすることになったのだが、その畑には人間に憑依するトマトの精霊がいて……!?
野菜だけでなく、様々なモノに次々と憑かれてしまう人物たち。
すったもんだの彼らの恋愛模様と野菜づくりへの奮闘を見守るうちに、あなたも “野菜づくり” がしたくなってくるかもしれません。
さあ、LOHAS(健康的で持続可能なライフスタイル)の先のニュートレンド、 “野菜づくり” の知識を皆で深めよう!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!奇妙な憑依現象で、野菜づくりが100倍楽しい!?地球に優しい物語。
とある会社のプロジェクトで、実際に菜園を作り、野菜を育てることになった社員たち。土には親しみのなかった彼らが、指導員の元で「自然に優しい野菜作り」を一から学び、少しずつ自然の仕組みと野菜作りに親しんでいく物語です。
——こう書くとごく平凡な自然派小説ですが、この物語の面白さはそれだけではありません。
畑での作業中に、プロジェクトのメンバーたちが次々と怪しい何かに憑依されるという怪奇現象が発生!クールなイケメンくんが突然オネエ言葉に、ガタイの良いオネエ様がゴリゴリのオジイサマ化してしまい……!?
そんな奇想天外で面白さ満点のストーリーをしっかりと盛り込みつつも、この物語の根底には、野菜作りとは…続きを読む - ★★★ Excellent!!!野菜作りが題材の少し不思議な恋愛ドラマ。ガチめの知識が勉強になります!
野菜作りを題材に扱った少し不思議な現代ドラマです。
ラブコメ的な要素や登場人物の職業・年齢などを勘案すると、ライト文芸系の読者層を想定した作品でしょうか。
「突如として登場人物が植物の精霊のような怪異に憑依される」というファンタジーもあって、独特な読み味のお話ですね。
個人的に少し前、ビジネス関連の書籍を読んでいたときに「近年都市部のビジネスマンの中にオーガニック野菜などの栽培/販売に関心を持って、フードビジネスへ転身する人が居る」というような話に触れまして。
以来、野菜作りには密かに興味があって楽しみながら読ませて頂いているのですが……
この作品はいい意味で「ガチめ」の内容なので、メッチ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ユニークで、ためになるエンタメ小説!
企業や個人向けのセミナーを企画するベンチャー企業のワンマン社長が宣言した今期のテーマは野菜作り。
企画運営の若手社員は実地体験をすることに。
だが、その畑には人間に憑依したトマトの精霊が……!?
トマトの精霊トマティーヌに憑依された男性社員。幽霊に憑依される者も……。
次々と起こる怪奇?現象?
憑依された人物の豹変振りに思わず笑ってしまうほど。
作中には野菜作りの知識や農法、専門知識も詳細に書かれていて、家庭菜園や農業に興味のある方には土壌作りから勉強になります。
ファンタジー要素もコメディ要素も含まれているユニークでためになるエンタメ小説です。
(20 草には草の役目がある[…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ウィークエンドのオシャレな農場ライフと思いきや……
都会で働く今どきの若者たちが恋と農場に奮闘するオシャレな物語。
というのがこの物語のA面。
といういい方がすでに古いですが、この作者、むろんこれだけでは終わりません。
期待通りにカオスまみれのB面が用意されています。
それはタイトルにあるように、憑き物です。
農場と憑き物の得体のしれないコラボです。
ストーリーは混沌に放り込まれていきます。
表面的には着々と現代風の農業が実践されていきますが、しかも読者には相当に農業の知識もついていくのですが、どんどんと話が妙な方向に向かっていきます。
とにかくそれが妙な面白さなんです。
こんな面白さを考えつくのは、たぶんこの作者さんだけだと思います。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!楽しく読みながら菜園知識も得られちゃう!
今時の若手社員、小倉香菜たちは、会社が借り上げた菜園にて実地体験することになるが……。
堆肥として余すことなく活用する究極の循環サイクル技術、多種栽培によるリスクヘッジ、雨水タンクの設置、地域コミュニティ……。
今の世の中で、関心を寄せる人が多いのではないかと思う分野を、等身大キャラ目線で軽快な物語に仕上げられています。
野菜作りを通して世相を考える機会に恵まれ、とても勉強になります。
ヒマリさんの作品は、ファンタジーも素敵ですが、こちらも本当によく考え抜かれたお話で、毎話「おおお」と唸らされております。
そして、今のわたしのお気に入りは、やっぱりオネエな与一さん・笑♪
続きを楽…続きを読む