婚約発表した 前編

 週が明けて月曜日になりました。なんというか、あっという間の一週間でした。

 そして現在朝礼中なんですが……本社から三名、神奈川支社から一名が視察及び販促やその他のために来ているにもかかわらず、良裕さんが爆弾を落としてくれたせいで、ちょっとしたお祭り騒ぎになっております。

 確かに、その爆弾に関しては私も同意したけどさ……どうしてこうなった!



 ***



 二人してお昼寝してしまった火曜日の昼間、良裕さんよりも先に目が覚めた私はしばらくその寝顔を眺めていたんだけど、晩御飯の支度をしなきゃならないからと何とか彼の腕の中から抜け出して支度を始めた。その匂いで起きたらしく、ソファーに座ってしばらくボーッとしてたのがなんだか新鮮だった。

 ちなみに、おかずは豆腐ハンバーグと付け合わせに粉ふきいも、ほうれん草とホールコーンのバター炒め。それにプラスで野菜コンソメスープとツナサラダの茹で卵のせ、白飯でした。

 で、ご飯を食べている時にいろいろ話し合ったんだけど、まず毎日キスと愛撫すると言ってた話は結論から言うとなくなった。単純な話として、それらが始まるとそのまま雪崩れ込むことになってしまうのと、お互いにやらなきゃいけないことがあるからだ。

 私はともかく、良裕さんは仕事から帰って来てから掃除とか洗濯とかするから余計にね。

 だからそれらはお互いの親にきちんと挨拶をして、同棲、もしくは結婚できたらにしようということに。「道のりが長い」とぼやいたのは良裕さんだけど、自分から言い出したことだからと、それ以上は何も言わなかった。

 そして良裕さんがお休みの時は私が彼の家でご飯を作るのと、お互いに休みがかちあった時の前や祝日の前、私が実家に行かない時の土曜の夜は彼と一緒に過ごすことにした。もちろん、私がご飯を作る前提。

 出かけるかどうかとか、出かけるならどこに行くかとかは、その時に話し合おうと決める。


 あと、今さらなんだけども、まだまだ仕事をしたいから避妊してほしいとも言ったんだけどどのみち結婚することと、この会社はバイトやパートでもちゃんと申請すれば育児休暇が取れるから、これからも避妊しないで抱くと却下された。しかも、今まで一度も避妊してないっていうんだから驚きだ。

 どれだけ気絶してるの、私。

 妊娠したらどうするのかなと思ってそれも聞いたら、妊娠がわかった時点で籍を入れるとキッパリ言ってくれたので、そこはすごく嬉しい。

 その流れで今週末は私が実家に行く事はないし、一緒に過ごすことになるから、日曜日に指輪を買いに行く予定だ。そして、来週末に良裕さんの実家に行くことと私の実家に行くことを決め、その日はお開きに。


 仕事自体は何事もなく残りの日にちを終えたんだけど、木曜日の夜に生理がきてちょっと残念な気持ちと安心した気持ちになった。良裕さんに伝えるのは恥ずかしかったけど、言わないとダメなことだからと伝えたら、「雀を抱けないのか……」とガックリしてた。

 ……おい、火曜日にあれだけ抱いたのに、まだ抱きたいんかい。どんだけ性欲が強いんだよ。


 そして、土曜日はご飯を食べたあとでネットでどの店舗で指輪を買うか、どのデザインにするかをある程度決めてからお開きにし、日曜日に指輪を買いに出かけた。都内に出てもよかったんだけど、調べている時に店舗検索をしたら地元の駅の近くにも店舗がある事がわかったので、結局そこにしたともいう。

 そこだけじゃなくて、念のために指輪を扱っている店舗をあちこち見て回ったけどこれ! っていうのがなく。結局最初に決めていたところの指輪のデザインがいいということになり、そこで買うことに。

 そして結婚式とかどうするか全く決めていないけど、結婚指輪も同じ店舗で買うことに決める。

 婚約指輪はプラチナリングで、真ん中にダイヤモンド。その両脇に私の誕生石であるペリドットが付いている、仕事してても邪魔にならないデザインのものを選んだ。

 ペリドットはダイヤモンドよりも二周りほど小さい。

 そして結婚指輪はやっぱりプラチナリングで、内側に私と良裕さんの名前を掘ってもらうことにした。

 婚約指輪はサイズがあったのでそのままもらって来たけど、結婚指輪は時間がかかると言われた。でも今のところ予定がたっていないし、全く問題はないのでお店側から言われた日程でお願いして来た。

 出来上がったら良裕さんに連絡が行くことになっている。


 そのあと婚約指輪のお返しを買うべく、良裕さんと一緒に時計売場へ。婚約指輪のデザインを検索している時になぜか一緒に出て来たんだけど、その画像を見た彼が「お? この時計いいな。欲しい……」って呟いたんだよね。

 だからお返しは腕時計にすることにして、欲しいものを彼に選んでもらった。有名メーカーのしか時計はよくわからないけど、時計の針とは別に文字盤に小さな針が三つもついてる、カッコいいデザインのものを選んでいたっけ。

 そしてお昼ご飯を食べたあと、ついでだからと他にも自分で使うものなんかを買い、大きなものは配達をお願いする。確かに良裕さんちにはなかったけど、まさか小さいサイズのとはいえ食器棚を買うとは思いませんでしたよ。

 まあ、私も数冊の本やちゃんとした本棚を買ったけどね!


 帰って来たらお互いに箱ごと交換と思いきや、良裕さんは改めてプロポーズしてから私に指輪を嵌めてくれたので、お返しに時計を嵌める。二人してお礼を言って、キスをして、ご飯を食べたあとのこと。


「明日、婚約したことを会社の連中に言おうと思ってるんだが、いいか?」


 そう聞かれたので、それに「いいよ」と返事して、雑談を含めたいろんな話をしてから自分の家に帰って来た。


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