原因不明の病に悩まされる涼弥は、療養のため、田舎に引っ越す。涼弥自身も就学前は住んでいた家だが、祖父の死後は無人になっていた。転居早々から、無人のはずの家で起きるできごと。進行する、涼弥の体の不調。田舎の、謎めいた信仰。不穏な空気が漂っていて、きっと不幸なことが起きそうで、先が気になってやめられないのに。強い夏の日射しに照らされて、古い家で、幼馴染の篤志と過ごす色鮮やかな日々は、泣きたいくらいに美しい。この『箱庭』を、ぜひみなさんも、最期まで見届けてください。
生きているのが不思議だ、と医者も匙を投げた。生まれつきひどく体の弱い青年、涼弥はその夏、今は亡き祖父の暮らした田舎の家へと移り住む。これが最期の夏になるだろう、と確信を持って。幼なじみの篤志は何くれと涼弥の世話を焼いた。そして、その町の病院で涼弥の体調不良の謎に彼らは触れてしまった。それは病ではなかった。「ハコ」と呼ばれる得体の知れない怪異だった。しっとりとした、そこはかとない気味の悪さが、儚く寂しげな涼弥の一人語りによって紡がれる。連載はまだ途中。続きも楽しみにしています。
世界観に引き込まれて、続きが気になります!
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