★★★ Excellent!!! 祖父の遺した家で過ごす夏は、死の匂いがして、美しい。 卯月 原因不明の病に悩まされる涼弥は、療養のため、田舎に引っ越す。 涼弥自身も就学前は住んでいた家だが、祖父の死後は無人になっていた。 転居早々から、無人のはずの家で起きるできごと。 進行する、涼弥の体の不調。 田舎の、謎めいた信仰。 不穏な空気が漂っていて、きっと不幸なことが起きそうで、 先が気になってやめられないのに。 強い夏の日射しに照らされて、古い家で、 幼馴染の篤志と過ごす色鮮やかな日々は、 泣きたいくらいに美しい。 この『箱庭』を、ぜひみなさんも、最期まで見届けてください。 レビューいいね! 0 2021年12月19日 09:06
★★★ Excellent!!! 夏、山奥の田舎町、古びた屋敷。病身の彼と、幼なじみの青年と。 馳月基矢 生きているのが不思議だ、と医者も匙を投げた。 生まれつきひどく体の弱い青年、涼弥はその夏、 今は亡き祖父の暮らした田舎の家へと移り住む。 これが最期の夏になるだろう、と確信を持って。 幼なじみの篤志は何くれと涼弥の世話を焼いた。 そして、その町の病院で涼弥の体調不良の謎に 彼らは触れてしまった。それは病ではなかった。 「ハコ」と呼ばれる得体の知れない怪異だった。 しっとりとした、そこはかとない気味の悪さが、 儚く寂しげな涼弥の一人語りによって紡がれる。 連載はまだ途中。 続きも楽しみにしています。 レビューいいね! 0 2019年8月20日 09:09