夏、山奥の田舎町、古びた屋敷。病身の彼と、幼なじみの青年と。

生きているのが不思議だ、と医者も匙を投げた。
生まれつきひどく体の弱い青年、涼弥はその夏、
今は亡き祖父の暮らした田舎の家へと移り住む。
これが最期の夏になるだろう、と確信を持って。

幼なじみの篤志は何くれと涼弥の世話を焼いた。
そして、その町の病院で涼弥の体調不良の謎に
彼らは触れてしまった。それは病ではなかった。
「ハコ」と呼ばれる得体の知れない怪異だった。

しっとりとした、そこはかとない気味の悪さが、
儚く寂しげな涼弥の一人語りによって紡がれる。
連載はまだ途中。
続きも楽しみにしています。