概要
「君に問う。君は人か、人非ざるものか」
鬼をあるべき場所へと還す者。
人は彼らを「オニカエシ」と呼ぶ。
西洋化する時代の闇に潜む魑魅魍魎たち。
桜の下に棲む兄妹、消えた子供たち、神さえも喰らう者。
帝国陸軍属オニカエシの志麻が対峙する、様々な怪異たちが引き起こす異変。
彼らは人か、人非ざるものどもか。
人は彼らを「オニカエシ」と呼ぶ。
西洋化する時代の闇に潜む魑魅魍魎たち。
桜の下に棲む兄妹、消えた子供たち、神さえも喰らう者。
帝国陸軍属オニカエシの志麻が対峙する、様々な怪異たちが引き起こす異変。
彼らは人か、人非ざるものどもか。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!人と鬼の生きざまが交わる。哀しき者、あるべき場所に還れ。
山越えの旧街道を抜けた先、軍服姿の男が至った。
その男、志麻は里長に呼ばれた「オニカエシ」だ。
里は妖に魅入られたか、待ち続けても春が来ない。
いや、命の気配が一切ないのだ、冬とも呼べない。
鬼と対峙して戦うが、第一義は討つことではなく、
鬼を返し、帰し、あるいは還すが「オニカエシ」。
兄ちゃんと呼ばれる年齢に似ず手練れの志麻だが、
軍刀を抜くその胸に葛藤や哀惜がない訳ではない。
端正で冷静な筆致が綴る、物悲しげな鬼の生き様。
おぞましい、おそろしい、と言えるかもしれない。
けれども、恐怖や残酷さ以上に強く感ずることは、
「この物語は美しい」ということにほかならない。
都会で西洋化が進…続きを読む