第3話 てんとうむしのたからもの


たどり着いた場所には、たくさんのてんとうむしがいました。

芝生のカーペットの上で綺麗に着飾ったてんとうむしたちが何かをしています。


「ことりさん、あれは何をしているの?」


「あれは、ファッションショーですよ。」


「ふぁっしょんしょー?」


こいぬは顔が真横になるほど、大きく首を傾げています。



「その通り!ここでは自分の一番綺麗な洋服を見せ合っているのさ

 赤に青に黄色。素敵な服ばかりでしょう?」


こいぬとことりのところに奇麗な服を着たてんとうむしが飛んできました。


「良かったら見ていくかい?」


「うん!」


鮮やかな芝生の上にキラキラと輝くてんとうむしたち。

それぞれが特別な輝きを放つそれは、まるで星空の様でした。

こいぬとことりは、てんとうむしのファッションショーにくぎ付けになりました。 


「僕達の洋服はどうだった?」


「とても素敵でした。」


「綺麗だった~!その服はみんなの宝物なのかな?」


「もちろん!僕達のたからものさ!」


「すごいすごい!」


とても綺麗で可愛い宝物を見たこいぬは

いつも以上に目を輝やかせ、興奮していました。


「僕も早く宝物を見つけたいな!」


こいぬは、そういうと森に向かって元気に歩き出しました。

草原でたくさんの生き物に出会い、たくさんの宝物を見せてもらいました。

トカゲの一年中暖かい草の家。

てんとうむしの綺麗な服。

蝶々の枯れない花。

蜜蜂の世界一あまいみつ。等など

中には、自分の名前なんていうユニークな宝物もありました。

どれもとてもとても素敵な宝物でした。



そして、こいぬとことりは森にたどり着きました。

森の道は険しく、進むはとてもとても困難です。

それでもふたりは力を合わせて、険しい森の道を進んでいきます。

森の向こうでこいぬのたからものを探すために、

どんなときも信じあい、力をあわせて森を進んできました。

長く険しかった森の道もあとわずか、もうすこしで素敵な宝物がみつかるかもしれ

ない、そんなとき、最悪の事件がおきました…





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