こいぬのさがしもの
ゆきころ
こいぬのさがしもの
第1話 旅立ち
ある野原に一匹のこいぬがいました。
こいぬは、自分だけの宝物が欲しくて、宝探しの旅にでます。
旅立ちの日、こいぬは一羽のことりに出会います。
「こいぬさん、こいぬさん、どこへ行くのですか?」
空の上からことりが話しかけます。
「宝物を探しに行くんだ。僕だけの宝物をね。」
青く美しい小鳥が、子犬の前に降り立ちます。
「タカラモノ?」
「うん、僕の友達はみんな宝物をもってるんだ。おっきな骨、良く弾むボール、みんな素敵な宝物だよ。」
こいぬはうらやましそうに言いました。
「そうですか、こいぬさんは何を探すのですか?」
「んー、わからないんだ。でもね、となりの森を越えたらすごく素敵なものがあるってうわさをきいたから、まずは野原を越えて森に行こうと思うんだ。」
こいぬは目をキラキラ輝かせています。
「そのうわさなら、私も聞いたことがあります。でも、本当に森へ行くのですか?」
「うん、そうだよ。」
「こいぬさん、森はとっても危険ですよ。私の友達も森へ行きましたが、病に侵されてしまい、帰ってこれませんでした。森へ行くのはやめたほうがいいですよ。」
「うん、心配してくれてありがとう。でも僕は行くよ。僕だけのたからものを手に入れたいんだ。」
「そうですか、それなら私もついていきますよ。ひとりでは危険でしょうし、私もその素敵なものを見てみたい。」
ことりは申し訳なさそうに静かにいいました。まるで嘘をついているように・・・
「うん、一緒に行こう、本当はひとりはさみしかったんだ。」
こいぬの表情がパッと明るくなります。
それを見て、ことりは優しく微笑んでいました。
「それでは、行きましょう。」
こうして、こいぬとことりの宝探しの旅がはじまりました。
こいぬとことりは森へ向かって野原を進んでいきます。
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