第2話 とかげのたからもの

ポツポツポツ・・・

ふたりで仲良く歌を歌いながら進んでいると雨が降ってきました。


「わぁ、雨だ!ことりさん雨が降ってきたよ!」


こいぬはうれしそうにぴょんぴょん跳ねています


「こいぬさん、ごめんなさい。雨が降ると私、飛べないのです。」


ことりは、飛ぶのをやめ、こいぬのとなりを歩き始めます。


「そっか、それじゃどっかであまやどりしよう。」


こいぬは、心配そうにことりを見ています。


「ありがとう、こいぬさんはやさしいのですね。」


雨のせいか、ことりは少し元気がありません。


「でも、困ったなぁ、どこであまやどりしよう…。」


ここは草原、背丈の低い草や花しかなく、あまやどりできそうな場所がありません。


「うーん、どうしよう…。」


こいぬがどうしようか考えていると、声がしました。


「それなら、家に来るといいよ!」


聞こえてきたのと同時に、目の前の草影から出てきたのは、目がくりっと大きな、茶色いトカゲです。


「僕について来て!」


トカゲはガサガサと草をかき分け進んでいきます。


「ことりさん、ついて行こう!」


こいぬとことりもトカゲの後に続きます。

青々とした草をかき分け、少し進むと、草で作られたお家がありました。




「さぁ、どうぞ」


草のとびらを開いてトカゲが言いました。

家に入ると3匹の会話が始まります。


「わぁ、すごいおうち!」


こいぬが、キョロキョロとあたりを見渡しながら言います。


「とかげさん、ありがとう、本当に助かります。」


「いいんだ、僕もたくさんの人にこの家を見てもらいたいから、この家は僕の自慢の宝物なんだ。」


「たからもの?」


「そうだよ、冬でもあったかい自慢の家なんだ。」


えっへんと、トカゲは自慢そうにしています。


「素敵な宝物ですね。」


「すごい!こんな宝物もあるんだね!」


こいぬたちはいろいろなコトを楽しくはなしました。

やがて雨はあがり、こいぬとことりはまた旅立ちます。


「とかげさん、本当にありがとうございました。」


ことりがおじぎをして言いました。


「気にしないで、またいつでも来てね。」


「こいぬさんも、たからさがし頑張って!」


「うん!」


こいぬたちは笑顔でお別れをしました。





「とかげさんのたからもの、すごかったね」


こいぬはぴょんぴょんと跳ねながら言いました。


「素敵でしたね。私もあんな家に住んでみたいなぁ。」


「うん!ぼくも! それとぼく、いろんな人の宝物を知りたいな。」


こいぬとことりは、宝物の話をしながら、草原を進んでいきます。

少し進むと赤、青、黄色に紫、たくさんのきれいな色が目に飛び込んできました。


「ことりさん、ことりさん。あれは何だろう?」


こいぬは興味津々、走って近づいていきます。


「いってみようよ!」



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