第6話 出発

旅立ちまでの時間、アノ・モニカ・ラムはそれぞれ準備をしました。

アノは、不思議の森に関する本をたくさん読み知識を。

モニカは、地図を見て危険な場所がないかの確認を。

ラムは、食料の調達を。


そして、3日後…

白猫の姉妹たちは、黒犬の家へとやってきました。


「みなさん、心の準備はよろしいですか?」


3匹が黒犬の家に着くのと同時に、木のドアが開き黒犬が出てきました。


「出来てます!」

「大丈夫…かな…」

「うん~」


3匹の返事を聞くと、黒犬は南の山を指さしました。


「あの山を越えると、すぐに不思議の森です。森をそのまま真っすぐ南に抜けると海があります。その浜辺のどこかに蒼い洞窟があるので、それを探してください。」


淡々と説明する黒犬。3匹はその話を真剣に聞いています。


「森は迷いの森と言われる場所です。もし迷子になってしまったり、困ったことがあったら、その水晶で話しかけてください。」


「はい!」


「皆さんで力を合わせれば、きっと箱は見つけられますよ。それでは、気を付けて。」


「「「いってきます!」」」


3匹は、パンドラの箱を目指し、出発しました。

はじめての旅でしたが、不思議と不安はなく、ワイワイと話しながら歩いていきます。道端に生える草花を眺め話をしたり、かけっこ競争をしたり、次にすれ違う動物の予想をしたり。3匹は広がっていく世界を楽しみながら進んでいきます。

途中、登山でラムが駄々をこねることはありましたが、旅は概ね順調。

旅立ちのその日のうちに、3匹は山を越え不思議の森にだとりつきました。


「今日は、森に入る前にここで休もう!」

「うん…もうクタクタ…」

「お腹すいたよ~」


3匹はラムが用意した、お弁当やお菓子を食べながら、今日一日の楽しかったことを振り返りました。きゃっきゃっと騒ぎながら話していた3匹ですが、ご飯を食べ終わるとすぐに眠りにつきました。

ムニャムニャと何か寝言を言いながら眠る3匹の顔はとても幸せそうでした。




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