概要
炭鉱夫の孫娘で機械マニアのアンナ。
学者の息子で化学の天才のジェミヤン。
司祭長の孫娘で我が儘な美少女のヴェロニカ。
大商人の息子で食いしん坊のイグナート。
そして、王の魔法使いの息子でありながら魔法を使えない僕、ルカ。
僕たちは、色とりどりの花をまとった謎の羊とともに、世界を闇に閉ざそうとする魔女に立ち向かい、伝説の騎士アドリアンの亡霊との戰いに挑む。
謎の羊の正体は?
コルネーエフ文書に遺された歴史とは?
トポロフの魔女の真意とは?
深い森に眠る秘密を解き明かし、僕たちは真実を知っていく。
不気味な飛行船オルガ号が王都を襲う。王国軍の飛行艦隊が次々に撃墜されていく。この戦いの終わりに、僕たちは何を見つけるのだろうか――
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!読む人を選ぶかも知れない傑作!
世界観や情景を描き出す地の文が綿密で緻密であるが故に少し文章が重く感じるかも知れません。
しかし、そこで紡がれる文章達が世界の成り立ちや文明の進化、そして主人公とその仲間たちの生き様を色付けていきます。
そしてこの国の成り立ちに繋がる魔女の存在と隠された歴史。巻き込まれた少年少女たちがこの世界の命運を担う戦いへと誘われて行きます。
最初に書きましたが、ライトなノベル好きの一部の方には少し取っ付き難い印象が有るかも知れませんが、世界を救う運命に選ばれた少年少女たちと、魔法が使えない魔法使いの少年の空を飛ぶという夢に貴方も誘われてみませんか? (^-^ゞ - ★★★ Excellent!!!技術的な側面も注目しながら読んで頂きたい作品。
この物語の素晴らしさは他の方々がレビューして下さっているので、そちらにおまかせしまして。
私はどうしても技術的な側面からこの作品を掘り下げたくて、非常に稚拙で申し訳ありませんがレビューさせて頂きます。
まず私がプロペラのついた飛行機が好きな人間であると先に申し上げておきます。
そしてこの作品は、飛行機好きな方には是非、読んで頂きたい作品です。
以下、専門的な用語が出てきますが申し訳ありません。
私が惚れたのはこの作品に登場する蒸気機関のエンジンを搭載した飛行機。
恐らくこちらは空冷式エンジンに対する水冷式エンジンの位置付けかな、と考察。
そうして考えてみると、私の目の前に空冷式の機体より…続きを読む - ★★★ Excellent!!!地の文が細かいのに、とても読みやすいです
読み始めて驚いたのが地の文の丁寧さです。
とても丁寧に描写されていて、情景が鮮明に目に浮かぶようです。それなのに、サラッと読める。丁寧なのに、読みやすい。だから、次々と読み進めてしまいます。
勿論、会話文も丁寧で読みやすく、登場人物の掛け合いに引き込まれます。個人的に、ルカくんとアンナさんの掛け合いはついにやけてしまうシーンが多くて好きです。
この小説は、近年ではあまり見ないスチームパンク系のファンタジーですが、どこか懐かしさを感じてほっとします。安心して読める小説だと思いました。
蒸気と機械の組み合わせに胸躍る方は、間違いなくハマります。
ボリュームがあるのに、読みやすくてあっという間に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!誰にだって使える魔法がある
本作は魔法使いの家系に生まれながら、魔法が使えないことで生まれ故郷を離れた主人公の物語です。
かつては森に捨てられていた子どもたちも、作中の時代では比較的穏当な扱いとなり、主人公は都市の学院に入学し、気の合う仲間たちと出会いながら、科学の力で空を飛ぶという新たな夢を抱くようになります。
そのように一見すると魔法からの脱却を描いた作品にも思えますが、タイトルや作中の台詞からも、本当の魔法とは単純な力ではないのではとも感じさせます。
また文章表現の完成度は高く、描くべきことはきっちり漏らさず描くという徹底さを感じさせます。
昨今のファンタジー作品が単文や会話による進行を多用する中、地の文へのこ…続きを読む