概要
神様は憎しみにあふれたこの世界を終わらせるべく、永遠に夜が続く魔法をかけた。
星の光を原動力に、負の感情を容れられた1万体の人形「ステラ」が街を侵食してゆく!
唯一魔法にかからなかったのは、潔癖症のコンビニ店員、妄想癖のおかっぱ女子高生、科学オタクの6年生、酔っ払いの郵便屋、ジャングルジムのロリータ少女のたった5人だけ。
神様の心を救うべく、この街の夜を終わらせるべく、5人は戦う!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!私の名もなき感情が、レビューを書けと叫んでいるのです
素敵の一言に尽きます。
ファンタジーというより「幻想的」という表現がぴったりくる、そんな世界。年端も行かない子供の見る悪夢のような、メルヘンチックな闇。
そこに閉じ込められた主人公たちも、負の感情を持った魂ステラに負けず劣らず哀しい淋しい思いをしてきたはず。それなのに、彼等はそれぞれに一つだけ決定的にステラではない部分があって、魂を浄化していく度に自分の中のその側面を自覚することになる。
それがあまりにも切なく胸苦おしく、ひたすらに美しいのです。
作者さまの他作品にも共通していえるのですが、文字を紡ぐ才能だけではなく、何よりもそのベースとなる瑞々しい感受性が素晴らしい。惚れました! - ★★★ Excellent!!!他人の心をすくい上げると同時に、救うための純文学。
ノスタルジックファンタジー的な純文学作品。世界から少し外れた五人が力を合わせて、人の心を救い、世界を救う。群像劇的で、文章がずば抜けて巧い。物語と同時に、その文章表現にまで引き付けられた。
人は誰でも目を逸らしたくなるような感情を、自分の中に抱えることがある。苦しいだとか、悲しいだとか。憎いだとか、恨めしいだとか。嫉妬や憐憫。尽きない苦労と感情。それらが作中では人形やきぐるみの行進として表現されている。いわば感情の可視化である。そのきぐるみ達を率いているのは、人形だ。その人形にも「負の感情」が詰め込まれていた。しかし、人間とは複雑な生き物で、「負の感情」だけを持つことはできない。「負の感…続きを読む - ★★★ Excellent!!!きっと僕たちは、どんな生き方をしても思い方ひとつで幸せになれる
まだ、完結されていませんが、一度レビューさせていただきます。
もここさんの独特な文体とそれに描写される世界観や人物像がとても印象的で、こんな表現方法もあるんだと感心してしまいました。
各話ごとに登場する独特な登場人物もさることながら、僕にとっては『レグルス』の登場以降がかなり良く全体がかけてきてるなと感じました。
特に秀逸なのは、『ゴミ屋敷の少女』からですね。この話から『Home Sweet Home』は一気に文体が変わります。僕にとっては、このあたりの文体の方が得に読みやすさと、作者の伝えたい”何か”を強く感じれずにはいられませんでした。正直、レグルス崩壊のシーンの回想場面では少し胸…続きを読む