素敵の一言に尽きます。
ファンタジーというより「幻想的」という表現がぴったりくる、そんな世界。年端も行かない子供の見る悪夢のような、メルヘンチックな闇。
そこに閉じ込められた主人公たちも、負の感情を持った魂ステラに負けず劣らず哀しい淋しい思いをしてきたはず。それなのに、彼等はそれぞれに一つだけ決定的にステラではない部分があって、魂を浄化していく度に自分の中のその側面を自覚することになる。
それがあまりにも切なく胸苦おしく、ひたすらに美しいのです。
作者さまの他作品にも共通していえるのですが、文字を紡ぐ才能だけではなく、何よりもそのベースとなる瑞々しい感受性が素晴らしい。惚れました!
ノスタルジックファンタジー的な純文学作品。世界から少し外れた五人が力を合わせて、人の心を救い、世界を救う。群像劇的で、文章がずば抜けて巧い。物語と同時に、その文章表現にまで引き付けられた。
人は誰でも目を逸らしたくなるような感情を、自分の中に抱えることがある。苦しいだとか、悲しいだとか。憎いだとか、恨めしいだとか。嫉妬や憐憫。尽きない苦労と感情。それらが作中では人形やきぐるみの行進として表現されている。いわば感情の可視化である。そのきぐるみ達を率いているのは、人形だ。その人形にも「負の感情」が詰め込まれていた。しかし、人間とは複雑な生き物で、「負の感情」だけを持つことはできない。「負の感情」の中に「温かな記憶」が隠されていたりする。主人公たちは、その「負の感情」の中に入り、「温かな記憶」をすくい上げる。それを提示された時、人は救われるのかもしれない。
人の感情には、名付ける事すら難しいものがある。言い表せない幸福や、ドロドロとした黒いもの。この作品は、物語のキャラクターを通して、それらの感情をすくい上げて読者に提示する。「汚い感情」を否定するわけでもなく、同情するのでもなく、それを肯定して見せる。優れた構成力と確かな文章力が、それを可能にしている。
この世界に出会わなかったら、後悔すると思います。
是非、ご一読を。
まだ、完結されていませんが、一度レビューさせていただきます。
もここさんの独特な文体とそれに描写される世界観や人物像がとても印象的で、こんな表現方法もあるんだと感心してしまいました。
各話ごとに登場する独特な登場人物もさることながら、僕にとっては『レグルス』の登場以降がかなり良く全体がかけてきてるなと感じました。
特に秀逸なのは、『ゴミ屋敷の少女』からですね。この話から『Home Sweet Home』は一気に文体が変わります。僕にとっては、このあたりの文体の方が得に読みやすさと、作者の伝えたい”何か”を強く感じれずにはいられませんでした。正直、レグルス崩壊のシーンの回想場面では少し胸が熱くなりました。
これからの『スターゲイザー』とても目が話せられないものになりました。
引き続き、モココさんのスタイルで、モココさんの伝えたいことをちりばめられたお話、楽しみにしています。
頑張ってください。
応援しています。
カナタ