概要
「生きたいと思ってからが本番よ」
『渡華記』という伝記を紐解いていこう。泰連国の国史の横で語り継がれたこの書は、とある泰連国皇帝の傍らに生きた妃を中心に据えた様々の人の出来事について綴っている。
「兄様、何で私のまで作る流れになってるの!」
「えー、だって君の魅力がきちんと伝わっていませんでしたから」
「まぁ、彼が関わってる時点で分かりきってたことだよね」
「王様はもっとよく考えて!」
編纂途中の第一巻は、海の向こうにあったという伎国より亡命を望んでやって来た異国の姫君が、留学生をめぐる泰連国と伎国の駆け引きと、お伽噺に触れる過去の因縁が渦巻くなかで、皇帝と出会い、惹かれあっていくお話。
千年もの歴史を誇る大陸の大国・泰連国と、海に浮かぶ祭りの島国・伎国。
文化も言葉も違う国から、海を越えて、時間を越えて、お妃様と運
「兄様、何で私のまで作る流れになってるの!」
「えー、だって君の魅力がきちんと伝わっていませんでしたから」
「まぁ、彼が関わってる時点で分かりきってたことだよね」
「王様はもっとよく考えて!」
編纂途中の第一巻は、海の向こうにあったという伎国より亡命を望んでやって来た異国の姫君が、留学生をめぐる泰連国と伎国の駆け引きと、お伽噺に触れる過去の因縁が渦巻くなかで、皇帝と出会い、惹かれあっていくお話。
千年もの歴史を誇る大陸の大国・泰連国と、海に浮かぶ祭りの島国・伎国。
文化も言葉も違う国から、海を越えて、時間を越えて、お妃様と運
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!帝王の本紀と妃の列伝
中華風異世界の後宮ものです。つまり、コンテストでレーベルによって明記されて要求されているある意味テンプレともいっていいタイプではあるのですが。
ただ、切り口はかなり面白いかも。
中華といえば文字、文、浩瀚な正史の国。かなり細かい部分まで正史の文章に何でも書き残してしまう、というのが大きな特徴なのですが、それを設定の中に取り入れた中華風というのも実は珍しいのでは。
設定といえば、舞台となっている中華風の泰連国以外の周辺国がきっちり設定されていて、それが物語の中に絡んで出てくるのが面白い。
恐らく日本がモデルなんだろうなあと思われる春原国などは、外国から見た日本という感じで魅力がありますし。主人…続きを読む