夏編

夏休みの練習

 夏休みは朝9時から昼の3時まで部活がある。それが日曜日とお盆以外毎日続くのでサボり組はほとんど来ない。少数だが1人で1週間に3・4回来る人がいたりする。顧問の先生はレギュラーやレギュラーを目指す人かサボり組と極端に分けているのでサボり組としか見られていないだろうが…。


 準備体操が終わった後に出席をとり、いつものように練習を始める。普段の練習がいつもより長引いただけなのだ。しかし、たまに変わった練習をすることもある。

「ちょっとみんな来て。」

顧問の山中先生が集合をかけると一斉に駆け足で集まる。

「お前ら全員目で狙いをつけよるけどのう、弓道は体で引くんじゃ。いいか?じゃけえ今から途中から目をつぶってやる練習をするぞ。」

「「「うい。」」」


 まず先にレギュラーが先生の言葉とともに弓を引き始める。

「そこから目をつぶれ。」

先生がそう言うと全員が目をつぶり続きを個人で始める。結果は的に近い人から見当違いな場所に矢が飛んでいった人など様々であった。これを全員がやると再び集合がかけられる。

「的に近い人は体で引けとるけど遠い人は目で狙いをつけとる。これからは体で引く意識をしろ。」

 

 そう山中先生は締めくくり普段の練習に戻った。その後はいつも通りの練習が続き、

12時になると午前の練習が終わり昼休みに入る。かばんを弓道場に持ち入り弁当箱とスマホを取り出した後、ゲームをしたりアニメを見たりしながら弁当を食べ始める。弓道の練習をしている人が1人いるが趣味が弓道の

弓道バカである。土曜日に毎日見られる光景なので止める人はかった。


 1時に午後の練習が始まるが、人が減っている。部活に来ていた数少ないサボり組が午後はやりたくないと帰ったのだが誰も何も言わない。せいぜい「あ、あいつ帰ったん。」と思うくらいである。顧問の山中先生も気付いてはいるが全く気にしていない。


 その後はまたいつもと代わり映えのない練習が続き、3時に練習が終わった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る