北村まくら

「今日の部活を終わります。礼。」

「「「ありがとうございました。」」」

「あー、疲れたー。」


あいさつが終わると共に北村が寝転がる。するとすかさずにその大きなお腹に平沼が頭を乗せて横になる。


「あ~、超気持ちいい~。」

「そんなに?ちょっと変わってや。」

「いいよー。」

「まって、本人の俺に許可とらんのん?」


北村の言葉を無視して原がお腹に頭を置いて横になる。


「は?やばっ!なにこれ!?むっちゃ頭が沈んで気持ちいんやけど!」


原が起き上がると音丸がボヨボヨと北村のお腹を叩き始める。


「北村のお腹って気持ちいいよね。」

「あれにはどんな枕でも勝てん。」

「これはやばい。」

「絶対それほめ言葉じゃないよね?」

「何言いよるん?完全にほめ言葉じゃん。」

「だってそれ地味に傷つくんやけど。」

「うっさい、ハゲ。」

「やめて!それちょっと気にしとるんやけ。あとそろそろのいてくれん?」


北村はハゲではない。ただ髪が薄いだけなのだ。だが部員はそれをハゲと言って北村をいじって遊んでいるだけで、いじめではない。北村がハゲだのデブだの騒いでいるとパンの入ったレジ袋を持った水野がやって来た。


「北村~、パンあげるけえちょっと寝かせてや。」

「いいよ!」

「おい、北村-!」


即答する北村に平沼が抗議をするがあっさりと無視された。北村はかなりの食いしん坊だ。そうでないと自転車通学で太ることはなかなかない。そうこうしている間に水野が北村のお腹を枕にして横になった。


「あああ~~~、いいー。」

「ねえねえ、どのパンくれるん?」


水野が横になっている間に北村がパンの入ったレジ袋をあさり、欲しいパンを探し始める。


「好きなやつ1個とってもいいよ-。」

「まじで?よっしゃ!」

「水野いいなー。…俺も横になろ。」

「あ、俺も~。」


北村のお腹の空いた部分に平沼が頭を乗せる。音丸は横になっている水野のお腹を枕にし始めた。


「何この光景。」

「…水野と音丸本当に寝かけてない?」

「えっ!?ちょっと水野のいてくれん!?じゃないとパン食べれんやん。」

「いや、問題そこじゃないだろ。」


寝っ転がりながらも楽しそうに会話をしていた。この後水野は起き上がったが音丸はなかなか起き上がらなかった。ちなみにこの光景は部活後によく見られる光景となっていった。

















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