僕の高校弓道ライフ

モリモリ

普段の練習

 僕の所属する工業高校の弓道部には愉快で変な人しかいない。それはロリコンを隠そうとせずに、むしろ堂々とその良さについて語る人だったり、ゲームが好きすぎていろいろなゲームの情報をいち早く調べ、部員に熱く語る人だったりする。でも、県大会個人1位や全国大会団体準優勝などの様々な結果を残している強豪校でもある。 


 「今日も部活かー。だるくね?」

 教室の掃除をしながら同じ弓道部の水野寮助に話しかける。ちなみに彼はロリコンである。

「だるくても行かんと。はぁー、早く日曜日にならんかなー。」

「それな、日曜日が毎週休みなのはありがたいけどさ…、部活やる気になんねー。」

 

 そんなことを話しながら掃除を終えるとすぐに部活に向かう。弓道場につくとすでに草抜きがはじまっていたが、教室掃除は終わるのが遅いのでいつものことなので誰も何も言わず、黙々と草抜きを続けていた。自分の道具の準備を終えるとすぐに体操が始まる。


 夏休みに入る直前なこともあってみんな少々気が緩んでいた。体操や出席などを終えるとすぐに的にむかって弓を引きはじめる。全員が一斉に出来るほどの広さでないので、待っている間はレギュラーやレギュラーを目指す人は弓の手入れや外で自主練をしたりしていて、そうでないものは遊んだりしている。この弓道部の特徴として、レギュラーやレギュラーを目指す人とそうでないものが極端に分かれている。レギュラーやレギュラーを目指す人は毎日部活に来て練習したり、部活のない日も自主練に毎日弓道場に来るのだが、そうでないものは土曜日や夏休みなどの長期休暇に部活に来ないのだ。また、部活に来ても遊んで弓道をあまりしなかったり、ひどい者は隠れてゲームをするのだ。この人達はサボり組と呼ばれている。


 レギュラーが真面目に練習している間、サボり組は今はサッカーをしている。顧問の先生はこれを知っているが器物の破損が起こったり、弓道の邪魔にならない限り怒ることはないし、たとえ部活をサボったとしても怒ることはない。しかし弓道に関してはものすごく厳しく、厳しいのか緩いのかよく分からない部活でもある。もちろんサボり組も練習をする。ローテーションが決められており、自分の順番になると的に向かって弓を引くのだ。


「そろそろ俺らの順番じゃね?」

「ほんまや、そろそろ準備せんと。」

「ちょっと待っとって、道具取ってくる。」

サボり組の彼らはそんなことを話しながら準備をする。グループのようなものがあり、彼らは大体そのグループで行動するのだ。


 練習が終わるとレギュラーやレギュラーを目指す人は居残り練習をし、サボり組はすぐに帰る。しかし弓道場に残るサボり組も少しいる。彼らはここでカードゲームなどをしてあそぶのだ。もちろん不要物なので学校にばれたら没収である。


 部活は4時から6時30分まである。そこから居残り練習を平均2時間30分やるのだ。居残り練習を終えると片付けや掃除をし、弓道場の鍵を最後の人が閉める。弓道場の鍵は4つあり、すべて生徒が持っている。


朝は毎日朝7時に鍵が開けられる。しかしそれは朝に部活があるわけではなく、朝に自主練をする人が弓道場を開けて準備して勝手に練習しているだけだ。この部活は緩いが、レギュラーになるには並大抵の練習ではなることは出来ないのだ。


 














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る