カードゲーム
夏休みの部活が終わった後は3時という遊びに行くには遅く、帰るには早い微妙な時間である。そうなると弓道場で遊ぶという人が出てくるのも必然である。
「おーい、誰かお邪魔ものやる人おらん?ルールは説明するよ。」
こうみんなに呼びかけたのは篠原涼というゲーマーである。弓道部ではやる遊びやゲームは6割くらいこの人発信である。そのため篠原が何か新しい遊び道具などを持ってくると人がよく集まる。
「「「やるー!」」」
今回も例に漏れず人が集まる。お邪魔ものとは簡単にいうと2つの役割に分かれ、炭鉱堀が鉱石カードに向かって道を掘り、お邪魔ものがそれを妨害するというゲームである。
ルール説明が終わるとさっそくゲームを始める。部員の人達にはもちろん大好評だった。
お邪魔ものが1セット終わると篠原が次のカードゲームを取り出す。
「次はこれやらん?」
「何これ?」
「ゴキブリポーカーロイヤル。」
「ロイポね、ロイポロイポ~。」
突然傍観者に徹していた清水健太がそんなことを言いながら外に出て行った。
「何あいつ?」
「知らん。」
それだけで清水に関しての話題は終わってしまう。この弓道部には変人が多いのでこの程度のことには動じないのだ。
ゴキブリポーカーロイヤルのルール説明が終わりゴキブリポーカーロイヤルを始める。このゲームは7種類の害虫カードがあり、7種類全部のカードを集める、同じ種類の害虫4枚を集める、手札がなくなるのいずれかで敗北になる。このゲームには順位がなく、誰か1人が敗北するとゲーム終了となる。
「やばい、人が信じられんくなってきた。」
「何でこんな人間関係を崩すようなゲームばっかりも出てきたん!?」
しばらくするとそのような声がちらほらと聞こえて来る。
そう、今回のカードゲームは人を疑心暗鬼におちいらせるものばかりだったのだ。
「いいやん、こっちの方が楽しいし。」
そう国清が言った。国清は嘘をつくのが異常に上手く負け知らずだった。
「少なくとも国清はしばらく信用出来んな。」
「まじかよ。」
そんなことを言っているが10分後位には忘れている。なんだかんだ言って弓道部は仲良しなのだ。
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