第18話 僕の友人は馬鹿である。

僕の家の前には、賛同君に殴られてぼろぼろの様子の岩瀬君に山岩君が笑って立っていた。

僕は山岩君達に取り囲まれ、殴られた。

激しい痛み。このまま死ぬのではないかと僕が思った時、男の大きな声がした。

「やめろ!警察を呼んだぞ」

その声に、山岩たちははじかれたように逃げ出していった。

「大丈夫か?」

血を流す僕に手を差し伸べてくれたのは、なんと黒田さんだった。

「な、なんでここに?」

口の中が切れて腫れあがってうまく声が出ずに、くぐもった声になってしまった。

「君に謝りたくてやってきたんだ」

「へ?」

僕は黒田さんに腕を掴んで黒田さんの肩に腕を回してくれて、なんとか僕は立ち上がることができた。

「君の家に入ってもいいかな?」

「どうぞ」

僕はつぶされた鞄から家の鍵を出して、ドアを開いた。

「僕の家は二階なんです。そこまでお願いします。どうやら足が折れているらしくて」

そういうと黒田さんは僕のことを背負って、二階に上がってくれた。

「痛いだろう?すぐに救急車を呼んだ方がいい」

黒田さんは心配してくれているらしいが、やはり僕は警戒心が勝ってしまう。それでも僕は黒田さんにお礼を言うことにした。

「ありがとうございます」

「君が無事でよかった」

いやいや無事も何も黒田さんは、僕の保険金狙いなんじゃと警戒してみてしまう。僕の疑いの視線に気が付いたのか、黒田さんは俯いた。

「信じてほしい。俺は君の味方だ。俺は・・・・」

言いにくそうに黒田さんは俯き、意を決したように顔をあげて僕に向かって叫んだ。

「俺は君を愛している!!」

「ええ!?」

驚愕に一瞬僕は痛みを忘れてしまった。

「純粋な死を冒涜するなという君の言葉に、俺は感銘を受けた。俺には君しかいない。君は俺の主人だ」

「あの言っている意味がまったく分かりません」

「・・・・俺には君しかいない。俺は君の潔さに憧れた」

「いやいやいや、黒田さん無理です。僕は女の子が好きです」

「俺も男には興味がない。君のことは性的には興味がない。けれども君は俺のすべてなんだ」

「まったく意味がわかりません」

怪我以外での頭痛がしてきた。

「すまない!すぐに医者を呼ぼう!!」

黒田さんは黒い色の携帯電話を取り出して、病院に連絡してくれた。

「僕黒田さんと付き合うのは無理です。ごめんなさい」

「君は俺の神だ。ただ一人尊敬する。俺は君の下僕だ」

「いや!あんたサディストだろうが!」

僕自身の叫び声で、怪我した骨にひびいて痛みで僕は悶絶した。

こうして僕に一人の下僕ができたのだった。まだ黒田さんが僕の保険金を狙っているのを疑ってはいるけどね・・・。とほほ・・・。

 僕は救急車で病院に運ばれ、全治二週間の重体だと宣告された。


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