第28話 自殺マニア
その夜僕はベッドで寝ていると、側に置いてあった携帯電話が鳴った。
「はい?」
「久しぶり山梨君」
久々に聞く一郎君の声だった。
「一郎君!」
「近い日に日本に帰れそうだよ。峰彦君が、山梨君に会いに行ったんだって?」
「うん」
「峰彦君はいいやつだからきっと、山梨君とも気が合うさ」
「うん」
「峰彦君はいいやつだが、峰彦君のお父さんは非常に面倒な人だったよ」
「面倒?」
「峰彦君のお父さんは、いつも僕の元に未解決の事件をもってくるんだ。そうして僕に事件を解決するように言うのさ」
「へぇー」
「こないだ僕が、解決した事件を話そうか?」
「いいよ、眠いから」
「あれは今から一か月前の事件なんだけれど、裸の女性が川辺で発見されたんだ。山梨君犯人は誰だと思う?」
「一郎君一切僕の話聞いてないね」
「黒田という男の親友の山田直人という男さ」
僕は驚いて、手に持っていた携帯電話を落としそうになった。
「黒田?」
まさか・・・あの黒田悟じゃないよな?
「黒田という男は狡猾だ。決して手を汚さずに、相手を追い詰めていく。山田直人の話を聞いて、精神を支配して犯罪をするように助長させていく。僕はこんな人間を初めて見た」
「あのさ、黒田って」
「最近黒田は百合先輩と親しくしているようだね。山梨君も気を付けた方がいい」
僕は恐怖で凍りついた。
「・・・・そんな馬鹿な」
「・・・・いやはや、世間は狭いね。こんなに身近な親友が出てくるとは・・」
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