概要
フォートレストという集落は国といっても良い規模だ。そこは周辺諸国とは違った毛色の人口密集地帯であった。王国、民主的な集落では考えられない程、自由な場所。法律や制度は一つしかない。「何人たりとも、自由を侵害する事は赦されない」これは掟のような精神のような決まりであった。主人公のジョゼはそんな場所に店を構えていた。
『叙事詩』はフォートレストの成り立ちを物語の軸にしています。また『ジョゼの店』はフォートレストの日常を描いています。
注:『ジョゼの店』は3回目の投稿からになります。
尚、校訂作業をtolico様にご協力して頂いております。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!フォートレスト。叶うならいつか訪れてみたい、魅力あふれる人々が住まう町
異文化が混ざり合う町、フォートレスト。
移住者達で構成されたその街には、入り浸りたいにぎやかな酒場も、素敵な雑貨屋も、毎日通いたいカフェもある。
そして、不思議な魅力を持つ店主・ジョゼと、可愛らしいメイドさん・セロがいる「ジョゼの店」も。
この物語は、世界規模の大きな物語と、フォートレストの日常を舞台にした小さな物語がパイ生地のように幾層にも重なっております。
どちらにも共通しているのは、作者様の美しい筆致と、何度でも味わいたくなる奥深い趣きです。
大切に、一口ずつ味わいたい特別な料理のような。
そんな素敵なハイファンタジー、ぜひとも味わってください!
……ちなみに私は、ヴァグダ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!街の、人々の、息吹が感じられる本格的ハイファンタジー
自由を尊重する街、曰く付きの者が集う街、フォートレスト。
そこで何でも屋的に住人達の依頼や相談を引き受けるジョゼと、少し不思議な少女セロの周りで起こる出来事を綴りつつ、過去を紡ぐ叙事詩やフォートレストを挟む国々の陰謀などがゆっくりと複雑に絡んでいく壮大な物語が本作です。
(第八章読了時では、これから物語が壮大な山場へと向かっていこうとする印象です)
異世界ファンタジーの人気路線からはきっと確実に離れている物語なのだと思います。
しかし、ハイファンタジーの重厚で幻想的な雰囲気が物語の土台となりつつも、ラノベ的な愛嬌のあるキャラクターが笑いを添えたり、ミステリーテイストの事件が絡んできたりと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!移民が造る異世界の街では、様々なミステリーとドラマが顔を覗かせる!
第八章読了時のレビューです。
この作品はジョゼという人物を中心に、
フォートレストという名の街で起こる出来事を綴る作品です。
他国からの移民が集まり作られた街という経緯があることから、
人種や過去の経歴などバラエティ豊かな人物たちが登場します。
国民の大多数が同一民族である日本人の私たちには、新鮮な光景に見えると思います。
ジョゼの仕事の内容上、ストーリーは事件簿、ミステリーの要素が強いですが、作中に登場する物だとか歴史だとか世界観がしっかり作られており、
時々、色恋模様とか登場人物の過去にまつわる話もあることから、
「事件簿もの」ではなく「異世界の街での暮らしを描いた」作品であることを実…続きを読む - ★★★ Excellent!!!フォートレストという街がある。カクヨムの麗しきハイファンタジー発見!
フォートレストという街がある。
広大な王国と強大な帝国の狭間にある地。かって人が生きるには不適とされた地に勃興した自由都市。国家と言うにはちいさく、深い森に囲われた緑塵濃緑の街。
社会制度に縛られていた人々にとって、この自由というものが解放した個の発揮からくる高揚は、いまだかって誰もが体験したことの無いものであり、そこから生み出される多彩な喧噪と熱気は、何事にも代えがたい光を放っている。
「麗しき都市フォートレスト。魂の故郷よ……」
この物語は、そのような街【フォートレスト】を愛した人々によって繰り広げられる叙事詩である。
個人的には、このような都市国家が世界でどのような影響…続きを読む - ★★★ Excellent!!!丁寧な描写が美しい。ハイファンタジー作品!
「フォートレスト ジョゼの店 第7章」〈後編〉まで読んでのレビューとなります。
主人公の男、ジョゼとその助手の少女、セロを中心に短編形式で物語が綴られていきます。
彼らの周りには、時にはミステリアスな事件が起き、時には恋のようなキュートな出来事が起き、そしてある時には、闇が見え隠れする……。
中世の雰囲気がある街並みで起こる様々な出来事がひとつひとつのエピソードで丁寧に描かれています。
食べたことのない肉がとても美味しそうに描写されていたり、行ったことのない酒場の喧騒が直に伝わって来そうな描写だったりと、読んでいてまるで彼らと一緒にいる(私も助手のひとりになった)ような気分になります。…続きを読む