魔術師_03

 暫く行くと階段が見えた

 おかしい、まっすぐ歩いてきたはずなのになんでこんなところに階段が?

 とりあえず登ってみると、そこにはオオウサギが2匹居た


 間違いなく第二階層のようだ


 ひたすら切る、切る


 次々と魔術師のレベルが上ってゆく

 気が付くと戦士は32、魔術師はLv7になっていた


 そろそろ魔法は充実してきたろうか?


 魔法

 初級攻撃魔法 初級防御魔法 初級生活魔法


 変わらない?


 初級攻撃魔法

 火矢 石矢


 初級防御魔法

 土壁 水壁 風壁


 初級生活魔法

 着火 水生成 送風


 変わってないな


 つまりこういう事か

 初級攻撃魔法は二種類、物理的攻撃力のある石矢と炎による属性攻撃力のある火矢

 初級防御魔法は三種類、物理防御に長けた土壁と炎による攻撃を中和する水壁とブレスや飛び道具を防ぐ風壁

 初級生活魔法は三種類、火をつける着火と生活水を作る水生成と換気や乾燥に使う送風

 と、こんな感じなんだろう


 他の属性の攻撃魔法や範囲魔法が欲しかったら中級を使えるようにならないといけない

 結構辛いな


 とりあえず次に出てきたオオウサギに火矢を打ち込んでみる

 熟練度が単にレベルではなく本当に使った回数によるならそこまで極端な威力の差は出ないはずだが・・・


 シュバァッ!・・・ドッ!!


 ・・・すごい、もう赤くなってる

 これは完全に熟練度が上がっていると見るべきだろう、威力はざっと見積もっても三倍にはなっている

 何しろさっき火矢の後に着火をぶつけても黄色にならなかったわけだから、その分を考えれば一気に赤になった時点で約三倍と見ていい

 しかしそれでも完全に息の根を止めるまでには行かない・・・こんなもんかな?


 次に現れたオオウサギには着火をぶつけてみる

 まだ黄色にもならないところを見ると、火矢と比べてだいぶ効率が悪い


 今度は火矢を打ち込む・・・点滅した

 俺の目の前まで来たところでオオウサギは絶命し、煙に変わった


 この時点で火矢の威力は着火の2倍じゃ済まないことがわかる・・・恐らく3~4倍というところか

 同じくらいの消費でそのくらい威力差があるのは大きいな


 属性による差があるのかもわからないので次は石矢を使ってみる・・・一発で赤くなった

 恐らく威力はそう変わらないはずだ、さっきのオオウサギで魔術師のレベルも上がっているわけだし

 試しにまた着火を打ち込む・・・煙に変わった


 さっきはこの組み合わせで絶命するまでにラグがあったわけだから、それぞれに若干威力が上がっていることを考えれば火矢と石矢が同じ威力と見て間違いないんだろう

 だとしたらこの2つの優位性の違いってなんだ?

 どういった使い分けをするべきなのか?


 単に物理的攻撃力なら同じ、属性がつく分火矢のほうが使い勝手がいいようにも見える

 延焼防止?

 いや、着火と違って火矢は火傷は追わせられても燃やす効果はないようだしそれは無いか

 この辺帰ってから調べてみるか・・・村に何もないよなら街に出てからだな


 そうこう考えている内に、魔術師のレベルが20になった

 戦士もいい加減レベルがだいぶ上ったのでジョブを整理してみるか

 念の為安全を確認して職業再設定を念じる


 ユウヤ・ハマナカ 自由人

 戦士Lv40 決死兵Lv40 魔術師Lv20 (旅人Lv32 騎士)


 えっと・・・これは決死兵がもうちょっとでレベル上がるから並んでるってことなのかな?

 上級職として騎士が出ているのに賞金稼ぎが出ないというのは簡単な理由だ・・・俺は賞金を貰ってない

 本来はギルドなどで特定のモンスターや賞金首を交換することで転職可能になるようだが、この村にはそういった物はない

 とりあえず戦士と騎士を入れ替えるか


 ユウヤ・ハマナカ 自由人

 決死兵Lv40 魔術師Lv20 騎士Lv1 (戦士Lv40 旅人Lv32)


 戦士と決死兵のレベルは同じなのでボーナスに変動はない

 その代わり追加されたのは騎士のスキルだ


 ”防衛:対象に来た攻撃を防ぐ”

 ”突撃:突進力を活かした攻撃に追加補正”


 実に騎士らしいスキルだった


 試しに魔法も見てみる


 魔法

 初級攻撃魔法 初級防御魔法 初級生活魔法

 中級攻撃魔法 中級防御魔法 中級生活魔法


 いつの間にか魔法が増えてた


 中級攻撃魔法

 風刃 凍結弾


 中級防御魔法

 氷壁 炎陣 突風


 中級生活魔法

 粘土作成 氷作成 焼成


 ん~・・・・・・

 この風刃っていうのは多分かまいたち的な奴だな

 凍結弾っていうのは字面からして当たった場所を凍らせるのか

 氷壁・・・土壁とどう違うんだ?

 炎陣は多分敵との間に炎を展開して距離を縮められなくするとかそういうことかな?

 突風は・・・風で押し出すとかか?


 生活魔法は初級が生活に必要な感じなのに対してより文化的な生活をするための魔法って感じだな


 っとか考えてたら三階層への階段が出てきた

 登ってしばらく進むと、今度はオオウサギが三匹の群れが出てきた

 試しに氷壁を使ってみる


 ピシィッ!!


 ・・・オオウサギが氷に埋まってる

 どうやら氷壁は相手の自由を奪って身を守る魔法のようだ

 俺は所々出ているオオウサギの首をはねて止めを刺した


 次は突風を使ってみるか

 おあつらえ向きにまた三匹の群れが出てきたので突風を使う


 ビュォウッ!!


 どうやら物凄い風が噴いた気はするのだが、なんの効果もない・・・多分離れ過ぎてた所為だな

 残った防御魔法は炎陣・・・使ってみるか


 オオウサギとの間合いがつまり切る直前、俺は炎陣を使った


 ボボボォッ!!


 半径1m程の炎の円陣が生まれ、オオウサギの行く手を挟んだ

 なるほど、これならこちらの飛び道具は素通りをするから魔術師のソロなんかだと役に立ちそうだ

 そう思って石矢を使おうとすると・・・使えない?

 火矢は・・・使えない


 どうやら炎陣が発動している間は同時に魔法を使えないようだ

 持続魔法はこういう事があるのか

 ソロでは使えないな


 次は風刃を使ってみよう

 単体か範囲かもわからないのは辛いなぁ


 そう思っていると、おあつらえ向きに二匹のオオウサギが見えた

 風刃と念じてみると、ターゲットを指定する前に発動した

 どうやら範囲攻撃魔法というよりは全体攻撃魔法という感じのようだ


 と、こんな感じで中級の魔法を使ってみたが使用MPはどうも全部同じようだ

 感覚としては初級の倍と言ったところか?


 そんなこんなでオオウサギを狩っている内に、持ってきた袋がドロップ品でいっぱいになった

 皮と肉・・レアな辺りでは腱や足などがドロップした

 動物の腱は色々と使い道があると聞くし、兎の足は幸運のお守りにする地域も合った気がする

 おそらくはそういう素材なんだろう


 俺は下りの階段に足を踏み入れると、不思議な感覚に襲われ気が付くと外に出ていた

 これも迷宮の仕様らしく、下り階段はそのまま出口になるのだという

 ちなみに、次に入るときは任意の階層から入れるらしい

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