偉業_02
母屋に入るとアルベルトさんに保管袋を渡した
昼にナズナに渡したオオウサギの肉は今日の宴会で振る舞われるらしく、その分も合わせて買い取ってくれるという
「は~、行くときは100を超えたらと言っていましたがまさか200を超えるとは」
「私も驚きましたよ。エクスカリバーのおかげとはいえあそこまでエンカウントするとは」
「いくらHP吸収があるとはいえ、これだけの数を狩れるのはなかなか居ませんよ、ましてや独りで」
「運が良かったんですよ」
実際エンカウント自体は運だ
おそらく今巣穴に行っても第四階層まで殆ど会わないだろう
「オオウサギの肉は新鮮なもので一つ銅貨10枚、保管袋に入れていなかった分は今日中に使いますから7割としてそれでも50はありましたから350枚。
保管袋に入っている分は223個ですか、おまけして2300枚としましょう」
「2650枚ですか・・・銅貨で聞くと凄い数ですね」
「ほう・・・」
「どうかしましたか?」
「いや、やはりユウヤ殿は高い教育を受けたのでしょうなと」
ん?どういう事だ?
今の流れにそんな発言はあったか?
「先程私はざっとでしか計算していませんが、三桁以上の計算は足し算でも難しいのです。私の掛け算に全く異を唱えることも疑問に思うこともなく、瞬時に合計を出すと成ればそれなりの教育を受け身につけたということです」
「三桁目を直接足すだけですよ?そんなに難しい計算ではなかったと思いますが」
「これを単純と言えるのは計算が身についている証ですよ」
そんなもんかね?
「ではこちらを」
そう言うとアルベルトさんは銀貨を
「アルベルトさん、これ多いですよ?」
「ほう、何枚ありました?」
「銀貨が27枚と銅貨が52枚あります、銀貨一枚と銅貨2枚多いですね」
「ふむ・・・ユウヤ殿は数えるのも早いのですな」
しまった!引っかかった
「ほっほっほ、年寄りの悪戯と思って許してくだされ」
「こんなこと調べて何が面白いんですか?」
ついつい呆れてしまう
もうじきこの村を離れるとはいえあまり弱みは握られたくないのだが
「年寄りの好奇心ですよ」
「その様子じゃ、記憶喪失なのも最初から信じてないんですね?」
そう言うと、不敵に笑ってみせた、困った老人だ
「恩人に不義理はしませんよ、それにしても兎型の獣人族ですか」
「ええ、この村で必要としないのであれば連れて行くことになると思います」
「獣人は下働きや鉱山労働などで使われるものです、この村では人手は十分足りていますし、むしろ好物が多すぎて理性で制御できない内は邪魔にしかなりませんな」
つまり番犬にも農耕馬にもならない害獣を買うことになりかねない訳だ
また、獣人は戦闘力が高いので冒険者が連れて歩くことは多く、雌の獣人は子を成すことが稀なため性欲処理のために連れ回すこともあるらしい
・・・どちらも「成人であれば」だが
「小さすぎますよねぇ・・・」
「ですな、アレでは雑用にしか使えますまい」
雑用のための奴隷が居るはずなのに幼女を連れ歩く・・・まさしく鬼畜だな
「やはりナズナを置いていくかナズナに別の仕事に就かせるべきですかね」
「どちらとも言いかねますな」
微妙な沈黙が流れた
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