ゲームみたいな転生がしたい

プロローグ_01

　ゲームみたいな転生がしたい

　そんな事を思うことがよくある

　最近よく見るネット小説もそんな作品が多いので、多分みんな同じ事を考えているんだろう

　もしそんな機会があったとしたら俺はどうするんだろう？

　ボーナスがMAXになるまで粘るだろうか？

　伝説の武器がないか調べるだろうか？

　特別なスキルを選ぶだろうか？

　・・・・・・平凡な生活を望むだろうか？

「なんだこれ？」

　日がな一日PCをいじって職探し・・・職を失ってもう何ヶ月経ったろう？

　日雇いのバイトで何とかその日の糧を得て、知り合いの家で職を探す日々

　特に資格もない、高卒の40男の人生などこんなものだ

　そろそろここも居辛くなってきた

　かと言って田舎に帰ったところで天涯孤独の身の上・・・どこか探せば扶養してくれる家族も居るかもしれないが、そんな望みの薄い事にすがる気はない

　生活保護を申請するのもいいかもしれないが、それなら野垂れ死んだ方が世間のためかもしれない

　いっそのこと掛け捨ての保険でもかけてフェリーの上からちょっとダイビングしてみるのもいいかな？

　受取人はしばらく世話になった連中に均等に分けて欲しいと遺言も書いておくか

　そう思ってネット経由で掛け捨ての保険契約を済ませてあとは旅行に出るだけになったある日

　俺は「それ」を見つけた

　”人生に疲れたあなた、異世界へ旅立ってみませんか？”

　どこかいい旅行先がないかと旅行系のスレッドを見ていたところ、なにやら怪しいURLを見つけた

　旅行スレッドに書きこんでいるし、文面から見て旅行会社の宣伝書き込みじゃないかとも思うのだが・・・「異世界」って何だ？

　現代文明が通用しないほど田舎なんだろうか？

　それともいかにもファンタジーな中世ヨーロッパの町並みが残るようなところ？

　南の無人島っぽいところとかかな？

　海外旅行とか無理だぞ？パスポートもないし

　とか思いながらもとりあえずUSBにテキストファイルで保存する

　とは言えまだ行く先の候補も決まっていない

　読み進めて行くとまた気になる書き込みが・・・

　”パスポート不要！旅費不要！楽しい異世界旅行はこちら！！”

　・・・・・・同じURLだった

　えっと・・・もしかしてこれテーマパークか？

　とりあえずこんな怪しい広告を友人の家で開くわけにもいかない

　まずはネットカフェにでも・・・金が惜しいから図書館の端末使わせてもらうか

　あそこは確かここの掲示板を見る事ができたはずだ・・・書きこめないけど

　ジャンプ出来ればOK、出来なかったら諦めよう

　友人に声をかけて部屋を出る

　帰って来なかったら泊まりの仕事でも見つけたんだと思ってくれと言っておいた

　彼は割りと心配性だからこれくらい言っておいた方がいいだろう