第44話 終了宣言

◆ 放送室  九条 太陽



『えー、皆さん、一年二組の九条太陽だ。

 結論から先に言うと、犯人はいなくなった。

 地雷なんかないから、校庭を通れば簡単に出られる。

 あー、あと、生贄の連中も全員無事だ。体育館まで迎えに行ってやれ。


 これにてこの学校は――平和となった。


 だが、これからオレ達への世間の風当たりは厳しくなるだろう。

 でもオレ達なら乗り越えられる。

 オレ達はテロリストと戦った。

 大半の人達は逃げていただけだろうけどな。


 だが――今度は逃げるな。

 世間から逃げるな。

 現実から眼を背けるな。

 戦え!


 ……まあ、でも。

 とりあえずは、家に帰って家族に元気な顔を見せてやれ。

 まずはそれが一番だ。

 オレからは以上だ。

 さあ、皆、家に帰ろう。

 そして、笑顔でこう言ってやろうぜ。





 ――ただいま、ってな』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る