水菜月

「だけどブルーハワイは逆だよね。空の方が、雲を覆って染め上げるよね」 確かなはずのケイちゃんとの記憶が時々怪しくなる。私ことカナは、子供時代の記憶と現在の記憶とのずれを感じながら…

「本当は思春期は、何もかも打ち壊す破壊の時期なんだ。蝶の完全変態みたいにさ」と古都は言う。 青い蝶をめぐる破壊的な青春をわたしは過ごした。突き錐の奴隷契約を交わした古都と。

Twitterタグ「#キスシーンを14字で書く」から着想を得て、生成。 ちょっと大人？　ちょっとだけ、ちょっとだけ。珍しい明里の恋愛ジャンル。 というか、多分初めての「恋愛」ジ…

先輩面の事務所スタッフ。 江戸っ子気質の遊説車運転手。 ちょっと頼りない熱血候補者。 どうしても勝ちたい対立候補。 彼らを見守る有権者。 そして、得体の知れないウグイス男子。 …

お題：「眼鏡」 字数：原稿用紙5枚 以上の条件で執筆。 親父はずっと本を読んでいた。重たい眼鏡を直し直し、ずぅっと本を読んでいた。

　ミチルの母は、幸せになりたくてフクロウを収集していた。 　けれど、福を招くフクロウをたくさん集めていたのに、決してしあわせではなかった母。 　さいごに教えてくれた言葉を聞いて、…

「イケてるフクロウ」だから「イケフクロウ」。 ＜「カクヨム3周年記念選手権～Kakuyomu 3rd Anniversary Championship～」お題『切り札はフクロ…

真面目な僕は神様からフクロウを戴いた。困った時に助けてくれるというので僕は助けてもらうことになった。

闇に覆われた世界で、私は一人、小さな命を産み落としました。 生まれたばかりの我が子を『洗礼所』へと連れて行くため、私は列車に乗り込んだのです。 ※過去作を改稿・改題したものです。

教師の娘であり、いつもほったらかしにされて育てられた＜私＞と、私の親代わりだった叔父の話。

　雪と氷に閉ざされた「さいはての島」には、白い魔獣が棲んでいるのだという。 　人はおろか生き物も住まないその地に、一人の少女が迷い込んだ。 　容赦なく命を削る吹雪の中で、力尽き…

「あなたの心臓をください」 中学最後の日。そう言って制服の第二ボタンを差し出した少女に背を向けてから三年。 大学進学と共に故郷の町へ戻って来た央は、少女──垣内みゆと再会をする。…

久しぶりに会った幼馴染の恋の行方は？

　桜の季節に、僕は愛しい人に会いにいく。 　僕の初恋の人である、メル・アイヴィーに。そこで僕は、歌をうたう少女とである 　X→LIST+さまの歌と、メル・アイヴィーのイラストに…

　とある国が戦争に負けた。 　機械兵に乗っていた負傷兵は、百合を想わせる少女の歌声に導かれて愛しい人の元へと還っていく。彼女はずっと、彼の帰りを待ち続けていた。 　X→LIST…

※如月芳美様の作品『風、薫る。風、巡る。』の二次創作的な作品です。 作品中の美貌の兄弟、薫と巡が、もしも心の奥底にこんな想いを抱いていたら……という想像から生まれたストーリーです…

【メル・アイヴィーオリジナル小説楽曲化コンテスト大賞受賞作品】 記憶を失った少女、メルが目を覚ましたのは、魔女の館だった。 メルは、魔女に歌声を奪われてしまっていた。 悲しみ…

　知らない人が多いと思うけど、僕は5月10日から9月5日まで病気で入院していた。病名は脳梗塞。 　文章が書けなくなり、絶望のあまり死を望んだこともあるが、今では立ち直り、このよう…

「好き嫌いに大人も子どももありません」 「レーズンって乳首っぽいよね」 レーズン嫌いの女と、レーズンを野菜代わりに摂取する男。 夜更けのオフィスで交わされる意味の無い会話は、徐…

主人公の花蓮は、彼氏の順に浮気され、そのショックから仕事を仮病で休んでいた。 昼寝から目が覚めたら、窓の外には物干し竿に乗っかっているツバメがいた。 人の言葉が分かっているかのよ…

創作にまつわる「シロートあるある」です。 一緒に「わかるー」と笑っていただければ。 書籍化の苦労話などもちょこっと入ります。 ※不定期アップです

　mixiの某コミュで書いたもの。こういう問題は真剣に論じるより、ギャグにした方がいいと思い、落語にしてみました。 　いや、けっこう重大な問題なんですけどね。何でこんなアホなこと…

働き易くて大好きなカフェには、気になる新人君がいる。 飾り付けるジャックオーランタンのように、年下の彼は大人びていてスマートだ。 キャンディーのような甘いセリフは、私の心を掴んで…

言葉に宿る意味と音色・コトノハの使い手である音ノ瀬秀一郎。 彼は一族の当主であり、長年の想い人でもある音ノ瀬ことの自宅で花見に興じる。 舞う桜と彼女を眺め、彼が胸に思うのは…

ほんの些細な出来事からいきなり人生負け組になってしまったあたし。 今日からホームレスとして生きようか、風俗で働こうか。 もう、いっそこんな人生辞めちゃおっか。 目が覚めたらイケ…

　大学三年渋木陽平には三年間片思いしている女性がいる。 　同学年の高木梨奈がその女性。 　彼女にはイケメンの彼氏が居て、陽平は梨奈のことを思いつつも内心諦めていた。 　そんな陽…

　わたしはかき氷のブルーハワイ味が嫌いだ。 　味の名前のくせをして、なにがブルーハワイだ。おしゃれぶっているけど、単に色と地名を組み合わせただけじゃないか。全く味の想像がつかな…

久しぶりに実家に帰ると、部屋が変わり、物はまとめて片付けられていた。確認していたら、小さい頃大好きだったぬいぐるみを発見。それはすっかり汚れていて、綺麗にしようと挑みます。 自…

　僕はどこまで行くのだろうと考えた。行き先が曖昧なのはなぜだろう。そこに明確な僕の意志がないからだろうか。時は流れ去っていくのに、記憶や想いはいつだって同じ場所で淀んでいる。 …

カクヨムに表記可能な文字だけを使って表現の限界に挑む∠( 'ω')／

彼と花火大会へと行く約束をした私。 約束の５分前になっても私はひとり、部屋の壁に凭れていた。 --- 木子あきらさんのお話「睡ること、生きること。」内の「あの娘は小指になにを…

魔王を倒しました。 異世界、残り五分。残り五分です！

最愛の妻、葵を亡くして、子育てにも自信がない。 今日も疲れきってベッドに身を沈めたはずなのに、気がつけばリビングに立っていた。 そしてそこには、葵が……。 ボイスアプリ「Li…

私は食パンを咥えて家を飛び出した。イケメンと“ぶつかるため”に！ （※今回、喋る『生き物』や『物』は登場しません）

この部屋はエアコンが効きすぎている。 メイドの自慢話を聞き流しながらリモコンを探すお話。

一九二二年のことです。 考古学者がツタンカーメンのお墓を発掘しにやってきました。 「来るなら来るって言っといてよオ！　この巻き物を見られるのはヤバイんだよオ！」 急いで隠せ！…

コミュニティFM局「比企谷FM(ひきがやつエフエム)」の最後の放送。 そのラスト五分間に流れた伝説のナンバーとは？ ※本作は「LisPon×カクヨム “最後の5分間” 小…

コンテスト「最後の5分間」応募用の作品です。

いつもの朝が、いつものように始まる。ただそれだけのこと。 短編『さらさらと』の２人の、その後のお話。 ✳︎『さらさらと』 https://kakuyomu.jp/work…

超巨大隕石の地球衝突が明らかになり、世界中で混乱が起きた。 そして月日は流れ、今から五分後に、隕石は地球に衝突する。 そんな中、俺の弟はなぜか庭で土いじりをしている。 一体何が目…

ひとつの家族を見つめ続けた存在の、最期の想いとは――。

みんな泣いている。大好きな遥も泣いている。この式が終わるまであと五分。それでみんなお別れ。 私は見つめるだけ。きっともう目は合わない。

「LisPon×カクヨム “最後の5分間” 小説×朗読コラボレーション・コンテスト」参加作品です。 別れる予定の男女二人、最後の５分間。どうぞよろしく。 ＊水族館に行ったカップル…

彩陽(あやひ)先輩に恋する「わたし」は、五分しか一緒に居られない。ずっと一緒に居る事ができればいいのに。 其処は、どこかの世界のどこかの未来。白い箱の中。器官のみが徐々に衰える不…

花はひとりでいきてゆくの続編 （https://kakuyomu.jp/works/1177354054882776642） どうして義妹を自分のものにしたのか どうして妻は逝…

思い浮かんだ短い不思議な話を書いています。百。

中世鎌倉の築港、和賀江島に近い桐ヶ谷に住む美しい娘の八重には、恋焦がれている人がいる。