概要
叶うはずもないような夢の中で
僕はどこまで行くのだろうと考えた。行き先が曖昧なのはなぜだろう。そこに明確な僕の意志がないからだろうか。時は流れ去っていくのに、記憶や想いはいつだって同じ場所で淀んでいる。
――過去と和解したいのかい? ならば、この先の駅で降りると良い。
過去の思い出を引きずって生きる者は、引きずれるだけの思い出があるという意味では幸せな人間なのかもしれない。
不思議なことと不思議でないことの境界がふっと消えている時間、そしてその空間。語り継がれる過去と記憶の世界。大事なのはどこに行くかじゃない。どこに行くのかわからない中で、何かに出会えること。
そういえば、現実と夢の境界線って誰が引いたんだろう。
※この作品はフィクションであり、実在する、人物・地名・団体・出来事とは一切関係ありません。
――過去と和解したいのかい? ならば、この先の駅で降りると良い。
過去の思い出を引きずって生きる者は、引きずれるだけの思い出があるという意味では幸せな人間なのかもしれない。
不思議なことと不思議でないことの境界がふっと消えている時間、そしてその空間。語り継がれる過去と記憶の世界。大事なのはどこに行くかじゃない。どこに行くのかわからない中で、何かに出会えること。
そういえば、現実と夢の境界線って誰が引いたんだろう。
※この作品はフィクションであり、実在する、人物・地名・団体・出来事とは一切関係ありません。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!時は止まらない―心を置き去りにしても
いつかまた――
切なすぎる主人公の願い。
水色の切符を手に入れたら、フォルクローロの街に行けるのなら、きっと私は母とあの気動車に乗るのだろう。
そして主人公とおんなじことを願うのだろう。
それでも、時は止まらない。止まってくれない。
なんて、残酷。
だけど、街で希海が言っていた。
「きっと希望に繋がる言葉が書いてあるんだね」
きっと、私たちはその希望を見つけださなくてはいけないのだと、そう思いました。
時の流れと人の心を繊細に描いた、星崎先生ならではの美しい物語。
深い悲しみを抱えて、それでも毎日笑っている―そんな毎日の中で、少しだけ肩の力を抜いてくれる、優しい物語です。 - ★★★ Excellent!!!「過去との和解」と過去との邂逅と。
この作品に、出会えて良かった。そう思える一作。
「過去との和解」をテーマに描かれる短編三部作の内の一作。
やはりこの作者様が生み出す空気感は、言葉では言い表せなかった。
ノスタルジック・ファンタジーの巨匠、恩田陸さんの初期作品に匹敵する世界観を描ききっている。その言葉の選び方とか、言葉の並べ方とか、とにかく最後まで研ぎ澄まされていて、凝っている。
主人公は電車で旅をする。主人公が持っていた空色の切符は、「どこまでも行ける切符」だった。しかし少女に導かれるまま下車し、神社に迷い込む。そこは過去との邂逅の場所のように感じられた。多くの人が亡くなったことで建てられたであろう、文字の読めな…続きを読む