時は止まらない―心を置き去りにしても

いつかまた――
切なすぎる主人公の願い。
水色の切符を手に入れたら、フォルクローロの街に行けるのなら、きっと私は母とあの気動車に乗るのだろう。
そして主人公とおんなじことを願うのだろう。
それでも、時は止まらない。止まってくれない。
なんて、残酷。
だけど、街で希海が言っていた。
「きっと希望に繋がる言葉が書いてあるんだね」
きっと、私たちはその希望を見つけださなくてはいけないのだと、そう思いました。

時の流れと人の心を繊細に描いた、星崎先生ならではの美しい物語。
深い悲しみを抱えて、それでも毎日笑っている―そんな毎日の中で、少しだけ肩の力を抜いてくれる、優しい物語です。

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