ひと夏限定で海辺の祖父母の家で暮らすことになった小学五年生の香澄。
一人で海へ行こうとした道すがら、香澄は渚という少年に出会います。
「ブルーハワイのかき氷を食べに行こう」と屈託なくさそう渚ですが、香澄はブルーハワイを敬遠していました。
海とは縁遠い風貌の渚と毎日かき氷を食べますが、毎度嬉しそうにブルーハワイを食べる渚を尻目に、香澄は頑なにブルーハワイを注文せず……。
そんな二人の日常に、ある日突然訪れた変化。
香澄のブルーハワイへの印象は変わるのでしょうか。
読後はほんのりと切なさが漂い、人工的で目にも鮮やかなあの青に哀愁を感じずにはいられません。
夏の終わりのこの時期に心に沁みる一作です。