メル・アイヴィーと黒チョーカー

作者 神岡鳥乃

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★★★ Excellent!!!

メルの目覚めに居合わせた少女
二人はおそらく無邪気に、仲を深めていく

そんな二人を捕らえる魔女
メルは記憶と歌声を、少女は様々な意味での自由を奪われた
魔女がなぜそんなことをしたのかを、メルが知ったとき
少女が何者なのかを知ったとき
メル・アイヴィーの歌声が聞こえる

メル・アイヴィーのブラックチョーカーに意味が生まれる

★★★ Excellent!!!

矛盾したことを書いていると思いますが、そう書いてしまう程、この作品には人間の本質のようなものが、ありのままに描かれていたと思います。
メルが魔女に捕らえられて歌声を奪われたのも、メルが魔女の館で出逢って仲良くなった少女に、
「あなたと友達にならなければよかった」なんて言葉を言ってしまったのも、
全てはワガママ・力不足・後悔・現実逃避などの「人間の弱さ」によるものでした。
しかし、だからと言ってメルは、
「こんな辛い想いをするくらいなら、もう誰とも友達にならない」ではなく、
「あなたと友達になれてよかった」と言い、
メルは少女と交わした約束を果たし、少女と別れ、次に彼女の助けを必要とする人の所へ向かいました。
再び「あなたと友達にならなければよかった」と言ってしまうくらい辛い想いをするかもしれないのに、
何故そんなことができるのか、
その理由は「人間が強いから」に他ならないと思いました。
いや、少し違うかもしれません。
人間は弱いから、誰かの助けを必要としていて、
そのために、傷つきながらも出逢いと別れを繰り返し、
助け合い・出逢った人との想いを積み重ねることにより強くなる。
まさに人生の縮図であり、メルの首につけている黒いチョーカーはそれを象徴するものだと思いました。
このレビューを読んで、この作品でどんなドラマがあったか想像がつきますか?
もし想像がつかないなら、ぜひこの作品を手にとり、自分の目で確かめてみてください!

★★★ Excellent!!!

作者さまの文章は読んでいてリズムが良く、
ノイズがなく、
かといって無表情ではなく、むしろ感情に溢れてる。
まさしく歌うように綴られるのですね。

最後まで読むと思います。この物語には優しさしかないのだと……!

ええそうです、魔女すら優しく、描かれるのです。

気になった方は本編を読んでみてください♪

★★★ Excellent!!!

存在しない本作の絵本を、その美しく装丁された表紙を両手に抱きしめながら、愛おしさ全開でレビューを書いています。

さて、短編で感情体験を作り出す際に最も効果的な手法の一つとして、いわゆる"どんでん返し"があると思います。本作にも「おおっ!」と見える世界が変わるシーンがいくつかありますが、個人的にはこの作品の魅力の要はそこではない、と感じました。
この作品の魅力は、いわば"全身"なんだと思います。一文単位の手ざわり、掛け合い、書くことと書かないこと、キャラクター相互の想い合い……それら全てが縦糸横糸になって、丁寧に編み込まれて、そうして出来上がった織物があなたの心をそっと芯から温めます。

こんな長文書いておいて何言ってんだと思われるかもしれませんが、本当は魅力を紐解こうとするのもおこがましい傑作です。心があったかい気持ちになる。それだけで本当はいいのです。
感情体験は保証します。ぜひご一読を。

★★★ Excellent!!!

素敵なおとぎ話でした。
『記憶』と『歌』を奪われたメルと、枷をはめられた少女との出会い。魔女の秘密と、切ないお別れ。
全てが綺麗で、読後は心地よい余韻に包まれる事でしょう。

音すら聞こえてきそうな美しい描写と、短編とは思えない深い人間性。
短編はあまり読んだことのない私ですが、それでもこれが『お手本』と呼んで良いような作品だと思いました。

是非みなさん、メルが紡ぐ歌声を堪能してください。

★★★ Excellent!!!

(ネタバレしないように細心の注意を払います)


魔女と少女とメルの話、です。
もう××の??が発覚したときは涙腺が緩むこと間違いなしです! ☆☆の愛って尊いんですよ。序盤の尊い流れから、尊い返しがあってこその尊いラスト!

もう、私だって〇〇の△△がわかるとき、物語は180度反転する……とか、格好つけたレビュー書きたいんですよ?

しかし、やはりこの物語の素晴らしさをぜひあなたに味わって欲しい。そう思い、伏字でレビューをお送りしました。

このお話の素晴らしさは、まだ未読なあなたにこそ響くと思います。少しでも気になったあなた、ぜひぜひ^ ^

面白いのでおススメです。

★★★ Excellent!!!

作品をレビューするところであるはずなのに、こんなことを言うのもおかしな話なのですが、この作品について語れる前話はありません。
ですので、僕からあなたに言えることを三つだけ。


ただ黙して読み進めてください。

新たなお伽話を見届けてください。

読み終わった時、少女のこれからを想像してみてください。


どうか、あなたと良い作品との出会いがありますように。

★★★ Excellent!!!

黒いチョーカーに秘められた物語。

記憶を失った主人公を迎えた少女。互いに何かを失っている中で、二人は絆を深めていく。
いつか歌を聴かせるという約束。
そして、物語は一気に語られていく。意外な真実、そして……。
続きは、ご自身でお確かめください。

第六話で描かれた儚く、優しげに流れる旋律。

きっと、あなたの心の渇きを癒してくれることでしょう。

★★★ Excellent!!!

メル・アイヴィー
この謎めいた人物に如何なる《物語》を吹きこむのか。どのような《歌》を歌わせるのか。
これは、かんたんなお題のようで、実は非常に難しいことです。
《物語》を吹きこむことは《いのち》を宿すことに他ならず、彼女の《歌》に如何なる《願い》を込めるのかを書き綴ることは《歌》にちからを授けることだと思うからです。

この物語には、しっかりとそれらが組み込まれています。
御伽噺のような誰もが優しいせかいのなかで、それでも産まれる悲しみのこと。胸がぎゅっと締めつけられるような痛みがあって、それでも悲しみを乗り越えて未来に踏みだすことで、確かに救われるものがある。
ひとつの短編小説としての完成度は勿論のこと、この人物に命を宿すのに必要なものがすべてそろっています。

是非とも一読を。
小説に音はないけれど、きっと最後には優しい《歌》が、あなたの胸に響くはずです。

★★★ Excellent!!!

 文頭の繊細な描写はさすがの一言。少女の儚さが存分に出ていて非常に良いです。
 一万文字で起承転結をつけるのは難しいですが、抑揚もしっかりとついていると思います。物語に派手な印象はないけれど、流麗でするすると読めるし、読後感も非常に清々しい気持ちになりました。
 ガラス細工のようなそんな作品で、最後の連弾のシーンは涙を無くしては読めません。冷たさと温かさの二律背反の感覚は読んでいてレクイエムを聞いているかのよう。
 優しい気持ちになれる話なので、是非。