「館もの」を含む小説

　荷物整理していたら出てきた古びた原稿用紙。 　それは十八歳のときの恋の顛末。 　改めて読んでみる。 　あまりにも幼くて不器用で臆病な私がそこにいた。 　時は三十年前にさ…

高貴な血統を継ぐ一井晴明は、どんな恋も手にしてきたはずだった。 ところが、京都本社に配属になった途端、これまでとは違う恋に堕ちてしまう。 それは謎に満ちあふれた、じつに不可解な恋…

夏休み、中学二年生の小百合は、叶わぬ初恋をかかえて失意の状態で家に引きこもる。 彼女を気遣う年の離れた兄は妹とのコミュニケーションを図ろうと、コレクションの映画DVDを一緒に観…

空襲によって疎開することになった主人公と、疎開先の娼館に宿る少女の話。

緩やかな衰退を続ける世界で、「魔術書」を蒐集する女賢者クァと、居候占い師の異世界転生者の少年ホゥは、なんだかんだで仲良くそれなりに暮らしていた。 かつて滅んだ賢者の一族の館に、未…

私は墓を守るもの。 墓は森深くの屋敷の館にあり、訪れる者は少ない。 それでも私は主を守る。 ※本作品には多少のホラー要素も含みます。ご注意ください。

今年６月、ディスクユニオン・ソウル／ブルース館へ行った時の事。店員さんとひとりのお客さんが、ブルースのシングル盤を掛けながら、話をされていた。ラフで勢いのあるサウンドに、CD漁り…

舞台は昭和初期。 とある館で殺人事件が起こった。 偶然現場に居合わせた探偵の霧島十歩は事件の捜査に乗り出す――と見せかけて、犯人をすぐに言い当ててしまう。 何を隠そう、この霧島十…

ただ、母の記憶を取り戻したいだけだった。 少女が目覚めると、そこは美しい丘の上だった。 どこまでも広がる透明な空、青々とした芝の中にはちらほらと花が咲いている。 丘を下り…

　星海社新人賞2013年冬、落選 　↑選評会では「僕に読まれて光栄だろ？」「雰囲気は好きだし共感できるところも多いけど物語の骨子がよくない」「後半ファンタジーになりすぎる」「伊…

　『事故物件検索サイト』で見つけた、素敵なお屋敷。 　そこでは、かつて住人が眠った状態で発見される、という事故があったらしい。

　特異魔法都市古部。 　そこの魔法使い達は、世界に類を見ないほど強力な魔法の使い手だった。 　古き血を重んじる『天仙道』。 　魔法技術の先のため魂を売り渡した『時計塔』。 　アカ…

　けものフレンズの監督が交代し、二期の概要が発表される頃、アニメ発のユニットは武道館を席巻していた。鳴り響く万雷の喝采の中、センターで歌う声優の胸を去来したものとは。 前…

ある一人の男が、自分の恋人の体で家を作った。 酸鼻極まる光景の中で、その真意が明らかになる――。

とある館があった。それは存在しているのかしていないのか？ 本当に不思議な館だった。彼女達はそこへ望みを求めた。

　『私』はたくさんの記憶を、心の奥深くに封じ込めていた── 　全てを忘れて目覚めた『私』は、『案内役』を名乗る謎の少年・メモリアと『記憶の館』で忘れた記憶を取り戻していく。しか…

　岡山の山奥に住むJK、兎上ひよりは、通学に進学、それに趣味と、全てを賄う為にやらざるを得ないコンビニのバイトに、心から辟易としていた。ひと夏の上京で思い知った都会との格差を穴埋…

1850年、ある貧乏道場の門戸を叩く小さな二つの手があった。少年・宗次郎と少女・一紗は、試衛館で出逢ったさまざまな縁によって、侍になることを夢みるようになる。まだ何者にもなれない…

　片田舎の科学館にあるプラネタリウム。プラネタリウムの投影終了後、誰もいなくなったホールに少年と友人は忍び込む。ただ何となくついて来ただけの少年に対し、友人には何やら目的があるら…

昭和初期の寂れた炭鉱町。 そこに暮らす「僕」は映画館で同級生の少年と出会う。 その少年はスクリーンに映しだされる女優を指差して言った。 ――あれは僕なんだよ。 二人の少年…