墓と少女
文乃漆
プロローグ 屋敷の中で
私は墓を守る。
それは
主が死んでどれくらいの時が経つだろうか。
ここは森の深くにある大きな屋敷。人が立ち入ることなどほとんどない。
その中で聞こえるのは夜に鳴き出す虫の声と、屋敷で働いている数名の足音。それだけだ。
長い間主に仕えているが、未だ危険はない。
仮に屋敷に危険があろうとも、この部屋には辿り着けないだろう。
ここでは私よりも強い者がたくさん働いている。ベテランの凄腕兵士、魔法とも思えるマジックを生業とする者、かつて剣豪として恐れられた男、本当に様々だ。
そんな安心感からか、ふと外に目をやると粉雪が舞っていた。
そんな中で私は主を思い出す。主と出会ったあの日も、底冷えする寒さの中、雪が舞っていた。
最初は、私と主の出会いのお話。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます