カフネの子守唄

ユウ

第1話 プロローグ


いったい、どこで間違えた?


いや、間違うはずがない。

何回確認作業を行ったと思っている。

まさか故障か?


「おい!!–––!どこだ–––?!」


誰かが私の名前を呼んでいる。

でももうそれも時期にわからなくなる。

先ほどの爆発で鼓膜がやられたようだ。

けたたましく鳴り響いているはずのアラート音でさえ、今は遠くに聞こえる。


「–––!!!」


また私を呼んでいる。

頼むから私じゃなくこの人を……母さんを……


次の瞬間、半壊した装置から鋭い光が放たれる

何かに引っ張られていく

落ちていく

引きずり込まれていく

母さん

母さん……!!



宛てもなく伸ばした手を誰かがつかんだ


「一緒に落ちてくれるのか?」


頭の中で何かがブツンと切れる音がした。


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カフネの子守唄 ユウ @yu_dareka_tomete

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