「何度でも」を含む小説

　その男の物語は十三歳の冬に、安寧の日々との決別から始まった。 　なんの前触れもなく起きた、49人編成の隣国の騎士団による故郷の急襲。その男はまだ体の弱い小さな少年だったにも関わ…

普通の高校生生活を送っていた主人公、皇《すめらぎ》将一《しょういち》。 そして彼の幼いころからの友人であるダークサイド少女愛好家、飛鳥井《あすかい》裕也《ゆうや》。 そんな彼ら…

　語り手である『私』と『溝口君』の物語が繰り返される掌編小説集です。 　だいたいどこから読んでも大丈夫です。

※存在しない原作の二次創作アンソロジー『虚景』 に寄稿した作品です。 存在しない「原作」を決め、その「二次創作」をするのがコンセプトでした。集団幻覚です。 "ゲーム『Dust…

魔法使いと愉快な仲間たち

シドは呪われている。 死んでも何度でも転生してしまう呪いだ。 シドは呪われている。 その性癖が。 シドは呪われるべきだ。 余りにも性格が酷いから。 ※ 本作は曇らせ剣士シドシリ…

――世界の果ての薄明に、 白く小さな復讐の花が咲く――。 山間部でサボテンが異常繁殖していることを除けば、どこにでもあるありふれた街、藤見原市。 「自由研究ってわけじゃあな…

【完結しました☆】 高校二年生の夏野陽菜は片思いをしていた。入学式の時、ほんの些細なやり取りをキッカケにずっと思い続けている。 しかし片思いの彼、森藤悠太は、月曜日になると記憶…

【話の舞台・世界観】 　宇宙のどこかにある惑星ミーティア 昔は一大レジャー惑星として栄えていたが大戦争が起きて寂れてしまった寂しい星。 　北欧神話にゲーム性を合わせた独自世界…

10年前、職人や技術者や学者であふれる街イルトタムリで行われた音楽祭の際に一つの事件が起こった。 その事件を境に、イルトタムリは「見つからない街」となってしまった。 だが近々実現…

とある神社の神主を務めている高校生の雅神由斗(ﾐﾔｶﾐ ﾕｲﾄ)は小さい頃から普通なら見えない不思議な何かが見えてしまう力を持っていた。そんなある日、境内の桜の木の下でボロボロの…

従兄弟のA君は、美術室の箱の中から女の子の声がするのをききました── とりとめのない、バラバラな６つの手のひら怪談は、けれど箱と弟妹で繋がっていた。

　『この夜を越えて　君に会いに行く』 　流れ星が降り注ぐ　太陽が歌い月が描く 　街はいつも残酷で　それでも願いは流れてる 　拝み憧る媚びる感情を　憎み妬んでいたけれど　 …

大切な親友を【現代の神隠し事件】によって失ってしまった、聖オルトリンデ女学院の生徒である細川みことは、ある日恐ろしい怪物――怪異に襲われる。死を覚悟したみことだったが、颯爽と現れ…

辛い時や 悲しい時 へこたれそうな時 大丈夫 私は幸せです 何度も何度も唱える

1985年12月、カナは憧れの地、アメリカはサン・ディエゴにあるALIに三ヶ月間の短期留学へ旅立つ。初めての時差ボケ、初めてのホームステイ体験、初めての寮生活。19歳のカナにとっ…

　何もかもに絶望した私は、誰も居ない廃墟から身を投じて人生の幕を自ら降ろした。 　だけど……私は奇跡的に助かった。異世界で公爵家の幼いご令嬢として。 　そんな事はどうでも良か…

俺、赤月正人は、狼男の父親と人間の母親の元に生まれた、言わば狼人間ハーフだ。 満月の光を浴びると、俺の全身の体毛は濃くなり、両手足の爪は鋭く伸びて、耳も体毛に覆われて大きく尖る。…

「わたしはジャムを導くためにここまでやって来たんだから感謝なさい」 「それどういう意味なのさ」 「んもぅー、小さいこと気にしてちゃ大きくなれないって何度言ったらわかるのよ」 角…

　「殺しちゃった」と逢野昭は言った。蝉の轟音が鳴り響く夏休み最初の日。扉を開けるとそこには血まみれの幼馴染が立ち尽くしていた。無理して作ったようなぎこちない笑顔で。父親を殺したと…