回る世界の中でまた君に会えたら

よつな

出会い

暖かく気持ちのいい風と綺麗な桜吹雪が吹くとても良い春のある日。

俺は神主としての仕事をこなし終わり何となく境内の散歩をしていた

ちょうど桜の木の下を通りかかったとき、いつもは居ない何かがいた。

その何かはボロボロで今にでも消えていなくなりそうなそれでも儚い雰囲気を纏っていて『綺麗だな。』と傷だらけのものを前にして失礼極まりないことを思ってしまった。


きっと一目惚れだったんだ。

そうじゃなかったらわざわざ得体の知れない生き物に手なんか差し伸べて救おうとなんてしない。

そんな俺に君は辛そうに微笑んでこう言った、

『ずっと待ってた。』



何を待っていたんだろう。

人間じゃない生き物の考えなんて想像なんて出来ない。

きっとこの子は神様なんだろう。

綺麗な白い肌と黒い髪の毛がその儚い雰囲気をより一層象徴させていた。人間では無い綺麗な何かと言ったら神様ぐらいしか俺には想像出来なかった。



その少年は「紀葉」と名乗った。傷の理由や何故ここに居たのかは詳しくは話してはくれなかった。




ただひたすらに俺は目の前の美しい神様に見惚れていた_。

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