「シリアス恋愛」を含む小説

　結婚が決まって、華々しくて誇らしくて楽しくて浮かれていた時間。 　そのすべてを、彼らは裏切った。

二回目の結婚生活を一年余りで終えた私、伊藤愛夏。うつ病と診断されて三ヶ月後に退職した。小学三年生の娘、瑠夏と二人。湘南の海と友人たちに囲まれて、少しずつ前に向かって歩いて行く。 …

喜潤が助けた少女は両腕がなかった。 彼女の両腕は喜潤と17年間一緒に暮らす飾が「食べた」らしい。 飾は喜潤の面倒を見てくれている女性だ。 だが、喜潤は飾について何も知らなかった。…

いつもの喫茶店で待ち合わせることになった彩矢。しかし、彼とはここ数ヶ月、明らかに会う機会が減っていた。遅れてきた彼に、彩矢が放った一言は……。 ・文字数：2056

イラストを仕事にするフミに惹かれる僕は フミもフミの描く優しさ溢れるイラストも とても大切で愛おしい なのにフミのそばにいるのは僕じゃない あの人は、いつだって僕からフミをさらっ…

最後の人魚姫となった『わたし』は、海の上を末の妹に教えたことを後悔していた。海上で鎮魂の歌を歌うことを心の慰めとしていたが、その姿を海賊の船長ルグバーンに見られて、生け捕りにされ…

朝水恵は、自分を失った少女ーー《詩》と出会った。 意識はあるはずなのに、喋らず、ほとんど動かない、ただ生きているだけの少女。 そんな詩の事情をとある理由から聞いた恵は、彼女と触…

「大変不本意だが、私は今後あらゆる障害から君を守らなければならない」 　検死官ロベルト・シュルツは、ヒューマノイドIV-11-01-MARIAに命じた。「絶対に生き延びろ」と。…

プラチナ色の瞳を持つ美少女は、突然、少年に死を宣告する。 「わが手にかかって、死になさい。サンの預言の通りに」 2051年の聖夜、世界は虹色の光に包まれた。 時空間操作能力（サ…

ある日突然性別が変わる奇妙な現象に見舞われ、女性となってしまってから十年。 二十八歳になった私は高校の同窓会に出席し、十年ぶりに懐かしい友人たちと顔を合わせる。そこには、あの人も…

想いを言葉にして歌いましょう――。 響香が所属している合唱部は、合唱コンクールに向けて、日々練習に費やしていた。ある夜、彼女は誰かに追いかけられ、その場は難を逃れたが、それ以後不…

雨のしとしとと降る夜に訪れた招かざる客。 主人公の「彼女」は旅人が語る「おとぎ話」に引き込まれていく―― 憂鬱なお姫様、 腹ペコなウサギさん、 その周りを囲むネコ、ネズミ、イヌ…

平凡な女子大生・矢島セリの下へ突然届いた、画像付きの‘Medousa’というメール。時を同じくして行方不明になった同じ学科の綾部麻美。その死体と思われる画像が更に送られてきたため…

　 　第一部‐始の記憶‐ 　生まれつき飛び抜けた身体能力を持ちながら幼少の記憶がない主人公、斎藤 瞬矢(さいとう しゅんや)。 　ある日を境に瞬矢と行動を共にすることになった高…

私は29歳。ジョーは働かない。「私は彼のことがほんとに好きなのだろうか」。その日私は彼の作った美味しいカレーを食べながら、ふと思った。

目覚めれば、見知らぬホテルの一室にいた。 高校生・日下部幸也は、理不尽が支配するその場所で命懸けの勝負への参加を強いられる。 左手首の外せない腕輪。２日に１度開催される複雑怪奇な…

私を愛してくれたのは結婚の約束をした後で背を向けた、彼だけだった。 ーーー＊＊＊－－2020年3月改稿済。内容は大きく変わっていませんがストーリーに必要のない描写や設定等を削り…

　かつて、人類の希望という存在でありながら、戦争の兵器として人類に牙を剥いた勇者がいた。帝国勇者と呼ばれたその男は、やがて戦火の渦中に姿を消した。 　それから三十年。死んだと思…