なんだろう、何が引っかかるんだろう。
性別が途中から変わるのは。。。魚で本当にあったような???
それは関係なくて、何が違和感の原因なのかわかりませんね。すごく面白いし、好きな作品なのに。
あ、わかった!性別が変わっても、自分の中で認識している自分の”性”というのって、肉体的な”性別”とあんまり関係ない気がするんですよね。
だからもしかして、主人公はもともと、ちょっと女性ぽいところがあった、という一文があるけど、それは納得です。
でないと、いきなり体が女になっても、10年で女に順応できない。違和感はいつまでも残ると思います。
10年”女の体”を使ったとしても、だから”女”に違和感なくなるかといえば、決してそうじゃない気がするんですよね。まあだからミュールも慣れないのかもしれないけど、主人公はもともと、”男の体”でないと無理な”男”じゃなかった、というのが違和感の原因ですね。
”女の体”に変わっても一応順応できる、という。。。そこが違和感の原因と思います。もうちょっと順応できない男の人の話だと、もっと切ない。
登場人物が――――という意味でもそうですが、この作品は様々な意味において(いわゆる王道作品と比較して)「大人」なTSFになっています。
青春時代の終わりにTS現象を経験し、二〇代後半から振り返る過去の自分。TSという不可思議な現象を描いているはずなのに、その只中に置かれた主人公の心情描写が実に丁寧で、ありえないはずなのにリアリティを感じるという不思議な気持ちにさせられます。
また、一〇年という歳月で変わったもの、一〇年経っても変わらなかったものの対比も、読んでいて強烈に心に響いてきます。
TSF好きも、そうでない方も必見の傑作です!