「大人」の王道TSF……かも

 登場人物が――――という意味でもそうですが、この作品は様々な意味において(いわゆる王道作品と比較して)「大人」なTSFになっています。
 青春時代の終わりにTS現象を経験し、二〇代後半から振り返る過去の自分。TSという不可思議な現象を描いているはずなのに、その只中に置かれた主人公の心情描写が実に丁寧で、ありえないはずなのにリアリティを感じるという不思議な気持ちにさせられます。
 また、一〇年という歳月で変わったもの、一〇年経っても変わらなかったものの対比も、読んでいて強烈に心に響いてきます。
 TSF好きも、そうでない方も必見の傑作です!

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