「春は」を含む小説

遠い昔。とある地方で、毎年、桜が散る頃になると発生する、謎の病が蔓延していた。悪くすると死に至る災厄で、村人が大勢亡くなった。 村外れの桜の大木に宿るという、万能の守り神に厄を祓…

高校受験。今日がその結果が発表される日だ。ネットで確認するという便利な手段があるが、俺、福原奏翔は、自分の受験番号を探して、見て、合格したかどうかを確めたかった。 ある友人も学…

いろいろ知りたい黒猫と、大人になりたての青年。 立ち寄った町で、故郷の村で、港へ続く街道で、色も形も大きさも違う二人が不思議を見かけ、通り過ぎ、時々ふれる物語。 「ねぇアルル」…

春、出会いと別れの季節。 棄てられた線路、忘れられた駅、 錆びた留置線で朽ちゆく一輌の列車。 「卒業」を控えた或るローカル線へ紡がれる、精霊と少年の哀の唄。 【2021年4月…

　生まれつきはっきりとものを捉えることのできない目を持つコウは、何かに呼ばれるようにしてとある社にたどり着く。長く続いた戦火により、訪れる者の絶えたその社は、社殿の細工も庭もすべ…

初恋って？　分かんない――「私はそういう気持ちになったことが、ないの」 心地良い春風の吹く桜並木道で、満開の桜が似合う美しい……天使のような人に、私は出会った。　　　 ※こ…

東雲晴加様の自主企画に参加します！ 『私ってこんな人です……！＋推し作家さん紹介しちゃいます！【自己紹介企画】』 はじめましての方も、あらためましての方も、どうぞよろしくお願い…

2024年春に書いた作品です。 短期間ですが、別名義でWeb公開していました。 ◇おねがい◇ SNS等での批評・批判はご遠慮ください。 作品フォロー（ブクマ）は、あとで読もうか…

第一回さいかわ卯月賞の開催、誠におめでとうございます。記念すべき第一回に花を添えたかったのですが、私にはおじさんを添えることしかできませんでした。 （縦組みを意識して書いておりま…

卯月春也は今年もあとわずかとなった頃、栃木にいた。 ３年振りに会ういとこ、秋田笑梨が迎えに来てくれた春也は、単身赴任中にけがをした父の手術に行った母が戻るまでの約3か月を秋田家で…

ハルとツカサは、都内女子校に通う普通の高校生。 ７月７日の七夕に互いの想いを確認したふたりは晴れて付き合うことに。 だけど訳アリのふたりが将来結ばれることはない。 恋人同士…

「描いてください、せんせい、わたしのことを」 はつ雪の便りをつれて古民家の宿に訪れたのは《裸婦画》だけを描く画家だった。 一重の瞳に潤んだ紅の唇、白練の和服を纏った綺麗な女流画家…

１０歳のおませな女の子の初めてのお便り、書簡体小説です。 一緒に暮らしてたおばあちゃんが入院して、迎えに来てくれた叔父さんとはぎくしゃくしてて、知らない誰かと文通をする はじめ…

時は明治。 開国以降、人々の生活様式が大きく変わったこの時代に、ひとりの天才がいた。 春高楼の花の宴 めぐる盃影差して 千代の松が枝わけいでし 昔の光今何処

〈！〉注意・Caution〈！〉 現在、第31回電撃小説大賞応募用に、あらすじを終盤まで含めて詳述しています。 内容ネタバレを回避されたい方は、このまま本文へお進みください。 …

運送会社で働く乗鞍亮二（のりくらりょうじ）は、ある日事故を起こして人を轢いてしまう。それをきっかけに長年勤めた会社を退職し、半ば脅されるようにして雇われたのは「美ヶ原事務所」とい…

顔も身体も平凡。 だけど、「現世の興奮」は、女達にとって極上の獲物だった。 狙われる。 誘われる。 ヤる寸前の凝縮した淫靡。 身体目当てで軽薄に、都合のいい男として使われる爛…

　中世の日本とよく似た世界の物語。 　麻岐国の守護代・新柄家に仕える五百瀬藤吾は、新柄家の嫡男・新三郎に虐げられていた。 ある日、新柄家に仕える国衆・沖沼が謀反を起こし、当主・尚…

　中国古代ファンタジー×オカルトコメディ、そして青春のモラトリアム。 　紀元前６世紀、春秋時代。中国は山西省に晋という大国があった。いずれ大臣として国を担う若い貴族たちは研鑽ど…

地味な幸運体質の依田（いだ）が幼馴染の甲斐（かい）と恋人になったのは中二の春。 一生そばに居てほしい、と死にそうになりつつも訴える甲斐に寄り添って生きようと心を決めたは良いものの…