「幻想」を含む小説

とある男の子と女の子の話 男の子視点です。

現実はいつだって救い難い。 高校1年生の僕、逢坂渚(あいさかなぎさ)は、現実的なものを嫌う非現実主義者である。 そんな時僕は、超がつくほどの現実主義者である町のお嬢様、梓(あ…

上弦の月の夜、旅人は語る。 銃と少女、そして鏡にまつわるひとつの伝承を―― 美しい双子の兄妹が迎えた、幻想的な宿命を――

私は知らない。外の世界を。 私は知らない。リナリアの花言葉を。 ……教えて、カンダタ。

歌に満ちた美しい「みどり」の森の中で一人の青年は目覚め、少女と出会う。青年は、自分が何者であるのか、この森がいったい何であるのか、なにもわからなかった。少女もまた同じだった。過去…

これはいつかの時間の、どこかの世界。 五家と呼ばれる家には、それぞれ神と呼ばれる存在がいた。 五家のうちのひとつ、『神代』（カミシロ）。 そこに従者見習いとして上がった浅葱（ア…

父に宮廷召喚士を持つライトは、いくら努力しても召喚魔法が使えない落ちこぼれだった。 成人の儀でも、召喚獣を喚び出すための最上級触媒を盗まれてしまう。 失態で追放されたライトの下に…

玉響《たまゆら》……ほんのわずかの時間 仕事も何もかも失った俺は、公園の池のほとりにいた。 気力なく、池の水面を見つめていると、美しい白昼夢に迷いこむ。 夢に現れた不思議な美…

その街の外れには、高い塀に囲まれた領域があった。時々薄紫の煙が太陽の光を反射し、キラキラと光る。中に何があるのか、我々には分からない。ただ、幻想的だと思うと同時に、関わってはいけ…

誰も彼を相手にしない。それでも歩き続けていく。 「雲の涙はいかがですか」

女の部屋で夢ともまぼろしともつかない影像に目覚めた後で、私は八年前、青森で出会った一人の娘のことを思い出した。娘は壊れ物のように美しい声をしていた。今は東京に勤めに出て来ている娘…

断片。大体現代、ときどき魔法。 『創作家さんに100のお題(幻想百題)』をお借りしています。 http://caged.sakura.ne.jp/forest/100theme…

あのときも、甘い乳の雫をぽとりと落としましたような、美しい梔子が咲いていました。 舞台は、くちなしの香りが仄かに漂う北国の古い邸。 現在の家主であるミーシャのもとで暮らす…

送り犬（おくりいぬ）は、日本の妖怪の一種。東北地方から九州に至るまで各地で送り犬の話は存在するが、地域によっては犬ではなく狼であったり、その行動に若干の違いがある。単に山犬（やま…

戦に敗れた谷津牙の国。主君である紅華妃と共に落ち延びた実己は、けれども、彼女を護ることは叶わなかった。 彼が行き遭ったのは一人の少女。茶の瞳に、漆黒の髪。それは谷津牙の国周辺の…

最初から希望なんてなかったのだろう。（※重複投稿しています）２０２４．１．１簡易チェック

とあるファンタジー世界に存在する道具や素材、生き物などをエピソードと共に紹介。 私自身のネタメモと執筆への慣れと練習を兼ねています。 ネタ切れにつき現在は不定期更新中です。週一は…

古代ギリシアより残るある島に伝わる物語がある。日食の夜、山頂に行くと、肌を重ねる二人の女を見るというものだ。海を見る白い女と、その背中に体を預ける黒い女。二人は夜とともに姿を表し…