幻想モノクローム
槻坂凪桜
プロローグ
__現実が、嫌いだった。
幼い自分を捨てた両親。馴染めない私に暴力を振るった同級生たち。社会不適合者の自分。_そして、型に嵌った人生を強制する社会。
社会における淘汰。弱肉強食。生き残った強者の闊歩する現代、見捨てられた弱者はどうやって生きて行けば良い?
社会が捨てた弱者は、人知れず孤独に死んで行く。彼らの死なんて見向きもせず、「無かったもの」とぞんざいに切り捨てて、社会は素知らぬ顔で世界を回し続ける。
…私も、同じ。生まれながらに利用価値なんて無い、現代の「型」に適合出来なかったジャンク品。世界の裏で犠牲となった彼らのように、どうせ救いなんて無いのだから…。
「___ねえ、好きだよ…××君」
今日も、私は次元の向こう側へ、恍惚と愛を囁き続ける。
幻想モノクローム 槻坂凪桜 @CalmCherry
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