「消えていく」を含む小説

蛍。夏の世の夢。儚く悲しく光っては消えていく。最後の一瞬まで微かな光を照らしている。まるで生きたいと叫んでいるように・・・。時代設定は鎌倉時代。戦乱の日本では、毎日多くの命が消え…

僕には昔から、僕にしか見えない友達のような人がいる。 彼女はいつも前触れも無く僕の横に現れて、僕が帰る場所を見つけると音も無く消えていく。 歩いている時にしか会えない彼女。会…

どこかの街で聞いた話・その３ ポエムっぽいショートショート。というよりやっぱりポエム？ 私は、黙って消えていくの。 ねぇ、あなたは私がいなくなったことに、いつ気が付くのかしら？…

ノアは数いる警官の中で、ヒーローと呼ばれる活躍をしてきた。人質を救い、犯人を射殺して、そうしてヒーローと呼ばれるようになった。 だがノアは最近、ひとの顔がわからない。何を言われて…

空に浮かぶ人類最後の都市、エリュシオン。 たった一億の人口が暮らすその都市は、地上から逃れたことで星が生んだ毒たる【瘴気】から遠ざかることに成功していた。 都市にとって目下問題な…

忽然と消えていく若者たち。彼らは皆とある言葉を言い残して消えていた。残された者たちは、果たして何を思うのか。幻想ＳＦっぽい読みきり短編。

２年前の夏。 突如３人の親友を失った男子高校生、鴨居 荵。 彼はとある情報屋の社長、本条 仁に誘われ、自分の力で事件の真実を暴こうと決意する。 しかし、東京都内では不可思議な事…

日々生まれては消えていく命。 平等など有り得ないこの世界において、唯一絶対に誰にでも訪れる死という終着駅。 そんな終着駅において始まりを迎えた少女は、今日も領域から現世へと赴く。…

七薙ハル。それが彼女の名前。かつてこの世界から姿を消した少女から、七年越しに手紙が届いた。彼女――ハルは、こう綴る。 「拝啓、三上彰人さま。私はやっと、この有間に帰ってきました…

周期表の中にある“硫黄”→“水素”→“ヨウ素”→“ネオン”を順番に突き刺す。 以上の方法を実践すると、嫌いな相手に災いをもたらすことができるという…… 私立アザミ高校で、この儀…

優柔不断な私の前に現れたその手が何もかも決めてくれた。自販機の商品も、友人も、恋人さえも。

水に憧れる女の子と、その女の子に憧れる男の子の物語。憧れを叶えられなかった人は、どうすればいいのか？　そんな想いを込めて書きました。グロはないですがちょっと溺水性愛に近い成分を含…

　国民の自殺率が極端に上昇した現代。家族は社会としての最小単位であることを独力で保つことができず、国家が個人を家族として配転するようになった。 　これはそんな歪な世界におけるとあ…

濃いものもいずれは薄れて消えていく。せめて濃いと感じたその瞬間を―― セルフレイティングは「念のため」

日本にある音響用信号には2種類の方式があるのはご存知でしょうか? 「通りゃんせ」と「故郷の空」等の音楽式、「ひよこ」や「かっこう」等の鳥の鳴き声を元にした擬音式の2つである。 そ…

思い出。 楽しいもの、悲しいもの、思い出したくないものもある。 もしも、あなたの思い出を、 「長さ」と表すのなら…… 中学校卒業をきっかけに離れ離れになってしまった、幼馴染の…

妖の天敵である同族殺しの鬼喰い。しかし、それは狩るべき妖も既に滅びゆき、もはや役目を失い消えていく末路を避けられぬ一族。最後の鬼喰いの娘は、妖の力を捨て、ただの人となりたいと願っ…

「地球はなんで青かったか、知ってる？」 彼女はぼくに消え入りそうな声で聞いた。 「月の人魚が落とした最後の涙のひとしずくなんだって」 そう笑うきみの命の灯火が静かに消えてい…

王都より離れた辺境地にある何でも屋、カケラ屋。 そこは人の記憶を扱い、風鈴に込めて記憶を思い出とさせるカケラ屋だった。 忘れ行き、落ちては消えていく記憶はモノに染み込まれている。…

大学生、一ノ瀬遥翔は困惑していた。めまいが治まったと思ったら知らない世界にいたのだ。遥翔の目の前には一人の少女。その少女、エディカは遥翔を見て言った。「ハズレか」 突然のハズレ…