「和風ファンタジー 短編」を含む小説

　人はそれぞれの“心珠”をもって生まれる。 　本人が念じれば手の中で出現させられる“心珠”は、欧化が進む今日でも未だに謎に包まれたままだ。 　“心珠”には、ひとつとして同じものが…

羽が生えるという奇病が広がった日本のお話。 ダーク和風ファンタジー。 微グロあり。

【書籍化記念　書き下ろし短編掲載！】 小説第一巻　６月５日発売決定！ それは武神と呼ばれるメガミ・ユリナがまだ天音揺波と呼ばれる少女だった頃の物語。メガミの力をその身に宿す「ミ…

さびしい少年は別離を恐れ、 香神木は瞳で愛しみ、 桜は禁忌をささやいた。 ――「絶対に、あれを侵すことは許さない」。

亡き母とともに貴族の屋敷の離れに閉ざされて育った主人公は、形見の笛をめぐる因縁に巻きこまれてゆく。その果てに彼が目にしたものとは――。 昨年5月の文フリ東京で完売した合同誌『かも…

――大人になって気づく。自分はいつも、大人の知らぬ逢魔が時を歩んでいたんだと。 大人になる前の、ほんの数日の、在りし日の熱病の様な、少年少女の短い物語。 熱に伏す”私”は、枕元…

激しき情念は鬼と為り、神と為る。 其は自覚無き故に呪には非ず、生きたる者の業たれば霊に非ず。 業念が巻き起こす、奇なる現象を《生魑-いきすだま-》と表す。 ここに綴りますはそう…

山奥の寺院へ奉公に出向いた少女ひたきが任されたのは、住職の娘である綴の世話係だった。しかし、綴は初対面の際からひたきに露骨な嫌悪感を示し、いっこうに心を開こうとしないのだった。な…

いつしか婆さんの家に転がり込んだ、曰くつきの猫。 「冬は寒いからな。駄目猫の真似だってしてやるさ」とかなんとか。 ある冬の夜、静かに暮す一人と一匹に不穏な影が差す―― ※　「…

余り豊かではない世界で、いろいろな人の思いが交錯するなか、一人の少女が自らの道を選択する話です。 エブリスタの、短編コンテスト応募作です。

幼馴染の柚が土下座をした。 「植生の変化の理由を知りたいから、護衛をお願いしたい」 鎖国下の国で外に出たいと常々思っていた葵は柚からの誘いを受けて植生の変化について調べる旅に同行…

【あらすじ】 とある世界。そこでは東に位置する国家群「桜華（おうか）」と、西に位置する国家群「ディシプリン」が、百年にもわたる理由なき戦争を続けていた。 両国ともに疲弊しながらも…

「わたくしを買って頂きたく参上いたしました」 商家の娘であり自身も商人である香弥子（かやこ）はそう言って現れた。 この、名家の妻となる者を決める見合いの席に。 自分自身を売り込…

ああ、いらっしゃい。いきなり降られて、その上周りににこんな寂れた居酒屋しかないとは、災難ですな、お客さん。 え？金が無いって？なぁに、閑古鳥に鳴かれて自分も退屈してたんでさぁ。…

和風ファンタジーで、平安風な世界に飛んでしまった主人公の話です。 エブリスタ、妄想コン「雨の日」落選の転載。

　人類の文明が幾度か崩壊した後の世界。 　大樹と呼ばれる不思議な樹木に覆い尽くされた大和の国で人間・言葉を話す獣・精霊が共存して暮らしていたが、人間の中には、少数ながら人・獣・精…

ときは平安。 敦久は詐欺集団と対峙し、刀を抜いていた。窮地を救うように鈴の音が響いたことをきっかけに、敦久は異世界に誘われる。招かれた家の女主人はとある礼がしたいと話し、欲しい…

その弾き語りは語る。 誰も知らぬ場所でひっそりと始まり終わる出来事を。 一話完結もので進めて行く予定です。

この世界は黒い布に覆われている。 伝説に伝わるその昔、不届きものが、火と呼ばれる新たな光を生み出したからだ。天は怒り狂い、空に真っ黒な布をかけた。 私は祭司。不届き者の末裔。火を…